幕末志士の恋愛事情

□質
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「むー。」

しぱしぱと瞬きをしながら朝餉を食べている。
足をのばし、壁にもたれかかっている。
小さな子供のようだった。

藤「白李、どうしたんだ?」
「眠い・・・」

ゴシゴシと目をこすっている。
最近、夜眠れないことが多いらしく、
朝うとうとしていることがおおい。
それでも、朝のそうじやらなんやらこなすのがすごいのだが。

藤「ちゃんと寝ないからだろ。ほら、食え。」
「んー。」

ブンブンと首を振る。
眠いと駄々っ子になるみたいだ。
また目をこすりながら壁に寄りかかる。
藤堂と白李が兄弟にみえて仕方がなかった。

男「あの、失礼します。」
永「どうした?」

隊長たちが朝餉を済ませている部屋に、隊員が入ってくる。

男「いえ、白李さんにお客さんが。」
「・・・?」
男「紫苑と・・・」
「行く。」

嬉しそうに、ぱたぱたとかけていく。
しばらくしてきゃーという声が聞こえた。
土方が聞いていた以前の友達だろう。
そして、ぱたぱたと足音が聞こえた。

「新選組の隊長さん、この子借りてもいいですか?」
「紫苑ちゃん、借りるって!?」
土「暗くなる前に帰れよ。」
「やった!白李、行こう?」
「あ、うん!いってきます!」

さきほどまでの眠気はどこかに行ってしまったのか、
2人で元気よくかけていった。

斎「・・・まだ子供だな。」
全「ああ。」

ずず、と味噌汁を飲む音だけ響いた。











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