幕末志士の恋愛事情

□伍
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朝餉の席に招待され、部屋に入ると格隊長たちが集まっていた。
ペコリ、と頭を下げ話を聞く。
総司も体調がまだよいのか、顔を出していた。

土「で、白李。そういえばお前、としはいくつだ?」

おにぎりを口に含んでいるので急いで飲み込む。

「今年で17です。」
全「・・・」
土「嘘だろ?」
「茶碗投げつけましょうか?」

年下に見られることは多い。
白髪とはいえ、顔は幼い。
身長もどちらかというと小さのだ。
行動も真っ直ぐで、勘違いされやすい。

斎「しかし、その若さで新選組のものを倒すとは、たいしたものだ。」

褒められているとわかったのか、小さくあたまを下げた。
隊長たち全員うなづいていた。

永「斎藤と手合わせしてみたらどうだ。
  お前の力が見てみたい。」
斎「は?」「はい?」

二番隊隊長の永倉新八が言う。
白李と斎藤は顔を見合わせた。

「私は構いませんが。」
永「ではこのあと、でいいか?」
斎「はい。」「はい。」

朝餉直後は、さすがに腹に悪いとして、
少し時間をおいて中庭で行うことにした。

斎藤一ぐらい、名前で聞いたことがある。
新選組の中の、最強の剣士の一人。
乙女ゲームに出現するぐらいだ。
知っていて、当たり前なのかもしれない。

剣道部ということもあって、新選組の資料だとかは
よく読んでいた。
だが、斎藤一はたしか、一刀流しか書かれていなかったきがする。

おたがい、竹刀を構えて向かい合っている。
目の前で、どんな流派か見たかった人物がいる。
白李は、少しだけ嬉しくなった。



土「・・・はじめろ。」



静かなあいずで、スタートした。










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