幕末志士の恋愛事情

□肆
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江戸時代に地球温暖化の影響などまだまだなくて、
今は秋頃だというのにすごく寒かった。
しかも着物という薄着の中。
息も白くなる早朝。
ペタペタと、長い廊下を歩く音が聞こえた。

沖「・・・起きてて大丈夫なんですか?」

縁側に座って、空を見上げている小さな子供。
服はいろいろとあって汚れたため、白い着物を着ている。
全体的に白いせいか、そこに存在していないかのようだった。

「・・・」

まだ、ほんのりとほほは赤い。
熱は下がっていない。

土「悪化するだろうが、中には入れ。」

自分の着物を上からかけ、そのままお姫様だっこする。
抵抗する気力もないのか、黙っていた。

土「そういえばてめぇ、名前は?」
「・・・桜川白李。」

部屋の中に入り、布団に寝かせてやる。
首元まで布団で覆わせると額の布を変えてやった。
じっと土方と総司を見つめている。

「・・・なんで助けたんですか?」

静かに、問う。

土「まだいろいろと聞いてねぇからな。」
「・・・何聞かれても答えませんよ。」
土「嫌でも吐き出させるさ。」

その言葉を聞いて外をみる。
じっとみつめて、飽きないのか疑問だった。

土「じゃぁ俺は用があるから、席を外すぞ。」
沖「承知。」

土方はばたばたと出て行く。
副長だけあって、忙しいのだろう。
背中をじっと見つめている。

沖「寝ないのですか?」

ちらっとこちらをみる。

「・・・あなたが寝たら、私も寝ます。」

そっと、目を細めた。











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