幕末志士の恋愛事情
□弐
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龍馬たちは用があるからと、姿を消した。
広い屋敷の中、途中で慎太郎にであう。
「えっと、中岡さん?」
慎「あ、姉さんのお供の方っスよね。案内するっスよ。」
どこか出かける予定だったのか、服装を整えていた。
少し、申し訳ない気持ちになる。
だが、知らない場所を一人で、ということも寂しかったのでありがたかった。
慎「名前、なんていうんっスか?」
「桜川白李です。」
慎「へぇ、綺麗な名前っスね、俺のことは慎ちゃんって呼んでください。」
「・・・慎ちゃん?」
確認するかのように、声を上げる。
慎「いやっスか?」
「そういうわけではないんです、すみません、
苗字以外で呼ぶのは、少しなれなくて・・・」
慎「じゃぁ、なれるまでなんでもいいっスよ。」
「いえ、慎ちゃんで。」
廊下を歩きながら2人で話をする。
慎太郎が話を合わせてくれているようで、話しやすかった。
慎「あ、ここっスよ。また迎えにきますから。」
そういって、やっぱり急いでいたのかパタパタとかけていった。
慎太郎の背中が消えるまで、ずっと見送り、
障子を開いた。
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