ハガレン

□第1話
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「お兄ちゃん、出歩くなら殺人犯に気をつけたほうがいいよ。」

店の中で食料を数個持ってきた小さな子供に話しかける店員。子供は自分のことなのかと、
まっすぐに店員を見る。その目は赤色だった。濃い青色のコートを羽織り、
したにカッターシャツでゆるーくネクタイを締めている。下に黒いズボンとブーツを
はいて、素肌がほとんど見えないようにしている。

財布の中からお金をだし、店員にわたす。

「錬金術師を狙った殺人犯がいるんだとよ。人気の少ないとこはあるいたらだめだよ?」

袋につめられた品物を受け取る。

「ありがとう。でも僕は錬金術師でもないから大丈夫だよ。」

そういいながら店を出た。

袋の中からさきほど購入した林檎をひとつ取り出し、小さくかじる。口の中に甘い味が
広がった。ひとつ、またひとつとかじりながら足を進めたのはタッカー家の前。
ポケットに入っていたある資料を広げる。

2年前奥さんが実家に帰るといって出て行った。そして、人間の言葉を話すキメラの生成に成功。
ただ一言、『死にたい』とだけ言い残し、何も食べずに死んでしまったという。
いやな予感がしてならない子供はちらっと、家のほうを見て歩き出した。
そして、すぐあとにエド達が中に入っていった。





出会い





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