長編
□4、とある日常の話
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夜も遅いから、ということで三つ子は空き部屋に入れられた。そして夜遅く、みんなが
眠りについたとき、そこの部屋のトビラがあかれた。
「・・・・・・水。」
サタチだった。壁に手を当てながらゆっくりと歩き出す。目元をこすり
ゆっくりと歩き出す。リクとリキは部屋で寝ているのか、後からついてきていない。
壁伝いに歩いているとひとつのトビラに触れる。そのトビラがいきなり開くので
サタチはそのまま倒れてしまった。
「うわ!?」
そこはエースの部屋だった。まさか人が倒れてくると思っていなかったのでエースも驚いている。
立たせようと背を差し伸べるがサタチの目が見えないということを思い出すと
腰を持って立たせてやった。
「どうしたんだ、こんな夜遅く。」
「・・・・・・水・・・」
小さな声で言う。凛とした声というよりかはなんだか弱弱しい声だった。本当に
あの店で山賊たちを倒した子供なのか疑問になるぐらい。
「案内してやるよ。」
サタチの手を握り、なるべく歩幅も一緒にして食堂へと歩いていった。
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