幕末志士の恋愛事情

□拾質
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紫苑が頭を下げているとき、後ろの障子が開かれる。
だれかわかったのか、紫苑は少しあわてた様子をした。

「龍馬さん!?」
土「坂本!?」

隊長たちが剣を構える。
後ろには龍馬、武市、以蔵、慎太郎が立っていた。
敵地内だというのに、堂々としている。

龍「まぁまぁ、剣は抑えて欲しいのう。」
「もう、龍馬さん!なんで来たんですか!?
 バレないように私が頑張ったのに!」
慎「姉さんも!危ないってこと自覚してください!」

慎太郎が紫苑を抱き寄せる。
それを以蔵と武市がニヤニヤと見ていた。
だれも襲いかかる気配がない。
見張りでいた隊員は一体何をしていたのか。
全員が不思議に思っていた。

龍「人数は多い方がいいじゃろ。」

高く笑っている。
話はずっと聞いていたのか、説明しようとおもったが、
その必要もなさそうだった。
ちらっと外の人を見る。
心配そうにこちらを見ている。
隊長達が龍馬にやられるのではないかという
そういった心配ではない。
きっと、白李のことだった。

土「てめぇ・・・坂本の仲間だったってわけか。」

殺気が紫苑に向けられている。
慎太郎の腕の中でひっと小さな悲鳴を上げた。
心配をかけないように、慎太郎が抱きしめる。











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