Book2 長編

□11人
1ページ/10ページ







水色の斬魄刀を器用にくるっと回し、ノイトラの斬魄刀を簡単に払う。
その行動を簡単に行った少女には見覚えがあった。
白銀の髪
本来白い場所が黒く、青色の瞳。
ウルキオラのような泣いたようなエスティグマ。
ファーが付いたパーカーの服に短いスカート。
そして、右肩からかけられた水色のスカーフ。

『ボロボロじゃねぇか、グリムジョー。』

グリムジョーの服の首根っこをつかみ、距離を取らせる。
声からしてハクだとはわかったのだが、違和感があった。



スカーフの下に右腕がないのだ。



腕が通ってない袖が空中にまう。
大きな刀を左手だけで器用に操っていた。
っちと舌打ちすると一護を見る。

『てめぇも傷だらけじゃねぇか。
 あいつが泣くぞ。』

柄の部分を持って斬魄刀を回しながら一護の胸元に触れる。

『わりぃな。グリムジョーは助けるぞ。
 あいつの頼みでなぁ。』

さきほどの会話からあいつというのは
サタチだとわかった。
本当はハクの体の中で眠っているはずなのに、
どうしてかハクの体からはそんな気配まったく感じられず、
ハクが純粋なホロウに見えた。

『聞いてんのか!一護!!』

が、っと胸ぐらを掴まれる。
その力が、とても強く、



悲しく感じた。




『いいか、てめぇは何が何でも生き残りやがれ!
 わかったな!!』

罵倒すると黙ってグリムジョーのもとへと近づき、
安全な場所へと移動した。





そして、そっと目が閉じられた。







●●
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ