『桜の下の姫君へ』
□やっぱり帰れない
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リクオがおぼろ車の所まで来た…
夜リ「じゃあ、帰るか」
桜「………」
夜リ「桜?」
桜の様子が可笑しい事に気付いた。
桜はリクオを見上げると…
桜「私、やっぱりまだ遠野にいたいです」
夜リ「!!?」
桜「まだ皆さんにお礼も言ってないですし……洗濯だってまだ終わってないですし…」
―だが…
リクオは何故か不安になる。
何故なら、淡島とイタクは桜のことが好きなのだ。
桜が遠野に残りたいというのは…
あの2人にとってはチャンスに近い。
桜「い、1日だけでいいです!その……ダメ…ですか?」
リクオは桜には弱い。
好きな女が自分にお願いをしている…
しかも、お願いをされたのは初めてな気がしてならなく…
夜リ「…あぁ。1日だけな」
桜「ありがとうございます!^^」
嬉しそうな顔をする桜に、明らかに完敗だ。
夜リ「(イタクと淡島には……気をつけなきゃいけねェな…)」
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