『桜の下の姫君へ』
□さよなら、奴良組…
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私達は花開院家に一度行くことになった。
私は・・・
桜「………」
母が死んだ。
今度こそ本当に会えなくなった・・・
「桜様ですね?」
桜「あなたは……」
「私は妖狐様の側近です」
桜「!……あの…母は……」
「ここでは何ですから、妖狐様の土地へと行きましょう」
桜「母様の土地…?」
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桜「ここが…私が生まれた場所…」
夏なのに、桜が満開で桜の花弁がひらひらと舞っている。
妖気が溢れている不思議な土地・・・
初めて来たのに、懐かしい感じがする・・・
「あれが妖狐様の娘様…?」
「妖狐様に似ておられるな…」
これが・・・
母様の”百鬼夜行”・・・
桜「あ、あの……これ……」
私は母の着物を側近さんに渡した。
悲しそうな顔をした後、微笑んでくれた・・・
「あの方は気付いておりました。
妖狐様には”千里眼”という未来を見る力がありました……きっと、分かっていて、あなた様に会いに行かれたのです」
母様・・・
そうまでして私に会いに来てくれた・・・
私は、母様の為に何をすれば・・・
桜「…これから……私がこの組をまとめていこうと思います」
「!?……しかし、それでは、妖良組が…!」
分かっている・・・
私がここにいるということは・・・奴良組の皆と別れをしなければいけない・・・
桜「……大丈夫です^^
これからは、母様のかわりに…私があなたたちの事を守りますよ^^」
「桜様……」
桜「でも……少しの間だけ待ってて下さい。
私は一度奴良組に行き、別れを告げてきます…」
リクオ様にだけは、別れを告げたい・・・
私をあんなに必死に助けてくれた人に・・・
桜「…母様が何百年も守ってきた百鬼夜行……今度は娘である私が…守ってみせます^^」
「………」
リクオ様・・・
私は・・・間違ってませんよね・・・?
あなたと別れて進む道・・・
私が決めた選択は間違ってないと・・・私は信じてる。
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