『桜の下の姫君へ』

□弐條城へ…!
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弐條城の中に入ると、妖気が溢れている・・・



どこから妖怪が現れても可笑しくない状況だ。




その私達の行く手を阻むのは・・・





―ガキィィィィンッ!




鬼童丸「また会ったな、小僧」


夜リ「お前は…遠野であった…」


鬼童丸「…しかしここまでよう辿りついた。

だが、ここから先へ通すわけにはいかん…!!」



周りの空気が重くなる。

この妖怪の殺気だけで、体が固まったように動かなくなる・・・


”畏”だ・・・



鬼童丸「お主、我らが宿願を阻む…大義があるとはとても見えんな。

我ら千年の宿願を…!!」



―ドドドドッ…


桜「何?地響き…?」

秀元「…まずいな…出産が始まったんか?」

桜「そんな…!」



夜リ「どけ!おっさん!!」


鬼童丸「断る、あのお方は仰った。

”この世に相応しいのは人と妖 光と闇の強制ではない、闇が光の上に立つ秩序ある世界”」


夜リ「闇が…光……」


鬼童丸「改めて聞こう……百鬼を率いてどうする?貴様に大義があるのか?

貴様も妖なら、真の闇の主「鵺」の復活を共に言祝ぐべきだ…

そして我ら、京妖怪の下僕となり、理想世界の建設にその身を捧げるのだ。

従わぬなら……ここで死ね!!」



夜リ「…成る程…闇が光の上に立つ……確かに面白そうな話じゃねぇか。

俺も妖怪だ……血が疼く…」


桜「Σわ、若?一体何を言って…」





鬼童丸「ならば何故従わぬ?」


夜リ「簡単さ、妖怪は悪……確かにそうだ。人間相手に悪行三昧…人から畏れられる存在…

ただよ…それでもオメーらとは違うんだ」


桜「………?」



夜リ「てめーらみてぇに、人間(カタギ)のモンふみつけにして人の上に立つというのは俺の理想とはかけ離れている…

妖の主なら人間に畏を魅せつけてやんなきゃあな」



桜「若……^^///」



鬼童丸「フン……昔、京妖怪と江戸妖怪の違いを”火”に例えた奴がおったな…

”畏”という名の火薬を使い、闇に華を咲かせて、人を魅せる”花火”が江戸の妖怪だと…

一方で我々の”畏”は闇に燃える”業火”……全てを焼け尽くし人には”恐怖”を与える…

所詮は、相容れぬ存在。


いでよ、羅城門」




そう言った瞬間、周りが真っ白になり…


ただ1つ見えるのは・・・”羅城門”という門1つだけだった・・・




鬼童丸「ここは嘗ての我々の棲みか、羅城門」



桜(畏の世界……)



鬼童丸「鬼の頭領であるこの鬼童丸がここで貴様等を葬り去る」









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