『桜の下の姫君へ』
□土蜘蛛vs奴良リクオ
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リクオ様・・・
目を開けたら、私は土蜘蛛の腕の中にいた。
桜「………」
氷麗は紐で吊るし上げられている・・・
酷い怪我してるのに・・・
床には血溜まりが出来ている・・・
桜(土蜘蛛は誰かを待っているようですし……)
一体、誰を・・・?
鬼童丸という妖怪が来ましたが・・・
桜「…土蜘蛛、誰かを…待っているのですか…?」
勇気を振り絞って声をかけてみる。
土蜘蛛「んぁ?あのガキ待ってんだよ」
桜「え…?」
土蜘蛛が言ってるのは一体誰の事・・・?
まさか・・・
桜「ぐっ……」
土蜘蛛の手に力がこもる。
桜「な、何を…!?」
土蜘蛛「少しの間、眠っててもらおうか」
桜「……っ」
意識がまた遠のいていく・・・
瞼の裏には、まだリクオ様の姿が浮かんでくる・・・
リクオ様・・・っ
あの姿を思い出す度に、目には涙が滲んでくる・・・
守れなかった・・・
そんな後悔が湧きあがってくる。
桜(リクオ様…っ!!!)
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