『桜の下の姫君へ』

□「私の代わりに…」
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〜13年前〜
―妖狐Side―





昔・・・


妖怪と陰陽師の許されない恋があった。





陰陽師の男は狐の呪いにより、30歳にもならずに死んでしまった・・・




お腹の子供を見れぬままに・・・






その子供が“桜”



子は、1年中桜が満開の私が支配する土地で生まれた。





あの子が生まれた時は・・・


本当に嬉しかった。




私の全てをかけて・・・この子を守らなければと思った・・・







そんな時に・・・









妖狐『え!?羽衣狐がもうすぐ復活するですって?!』



『…はい、京妖怪たちが騒ぎ始めておりました』




妖狐『そんな……』





羽衣狐は友人だった。


とても大切な親友のような存在だったのに・・・





あの頃から変わってしまった。



力もつけ、人間を犠牲にあの人を復活させようとしている・・・








『いかがなさいますか?妖狐様』





羽衣狐が復活したら、能力の高い生き胆を狙う筈・・・




もしかしたら・・・


この子が狙われてしまう・・・




私の肝も危うくなっていたのですから・・・





それか、この子を依代に復活するかもしれない・・・












妖狐『……この子をどこか別の土地へ隠しましょう』



『しかし、その方は妖狐様の大切な…!』



妖狐『この子にとって、それが幸せなことなら……

仕方ありません…』





そして、まだ幼い桜を守るために”浮世絵町”に行った。




そこには、魑魅魍魎の主がいる地。






この子も、きっと安心だと思いました。






この子の幸せのために・・・








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