『桜の下の姫君へ』
□大妖怪“羽衣狐”
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京都に来て、最初に思ったことは・・・
ここの妖気は禍々しいということだった。
浮世絵町には、なかった妖気がここにはある・・・
桜(この京都で一体…何が起こっているの……?)
このことを知ってるのは、陰陽師ぐらいだと思う。
もし、容赦ない陰陽師(ゆらちゃんのお兄さんなど)に会ったら、妖怪の私は、きっと滅されてしまう・・・
せめて、ゆらちゃんに会えればいいのだけど・・・(汗)
母の手掛かりもない・・・
桜「!」
この強大な妖気・・・
他の妖怪とは比べ物にならない妖気は・・・
桜「相剋寺の方から……」
この妖気の持ち主はきっと京妖怪の頭をやっている妖のものだと思う・・・
ここから先に行けば・・・もしかしたら死んでしまう・・・
桜「………」
夜リ『必ずここに帰ってくるんだ』
頭の中にその言葉が過る。
死んではいけない・・・
でも・・・
桜(あそこに行かなくてはいけない気がする……)
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