『桜の下の姫君へ』
□猩影の覚悟、七分三分の盃
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―ダッダッダッ
桜「ハァハァ…」
廊下を走って辿りついた先は・・・
―ガラッ
襖をいきよいよく開ける。
桜「猩影君…!!」
雪女「桜様…」
目の前には布団に横たわっている傷だらけの猩影君は・・・
ささ美「申し訳ございません、姫様」
桜「謝らないで下さい…元々は私がいけなかったのですから…」
―グラッ
急に目眩が・・・
雪女「桜様!?大丈夫ですか!?」
桜「だ、大丈夫です…」
トサカ丸「…いや、今の顔色で言われても納得出来かねます」
桜「!」
黒羽丸「桜様は特に妖気の探知機能に優れている……その分、我々よりも妖気を直に感じ、体への負担が大きくなるのもまた事実。
今の桜様に猩影様の傷を治すのは……桜様の体が危険ですね…」
桜「……っ」
後悔だけがこみ上げてくる・・・
あの時、私が止めていれば・・・こんな事には・・・
猩影君の枕元に座った。
桜「ごめんなさい…猩影君…」
頬に涙が伝う・・・
猩影君は・・・こんな私に、起きていたら何て言うのでしょう・・・?
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