『桜の下の姫君へ』
□始まる運命
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アレから約7年の月日が経った…
鯉伴様はもうこの世にいない。
幼い頃の私は
それがただ悲しくて、寂しくて・・・
そんな私に手を差し伸べてくれたのが
”奴良リクオ様”だった。
リクオ『桜、泣かないで!僕が守るから!お父さんのかわりに僕が絶対に桜を守るよ!!』
その言葉のおかげで、今の私はいる。
鯉伴様がいなくなってしまった悲しみは消えはしないけど…
私はリクオ様を
『お守りしたい』
その気持ちには変わりない。
ただ・・・
この関係性が壊れる事が、凄く怖いんです。
だから…
この関係を壊したくない。
もし、リクオ様が「3代目を継がない」と言っても
それがリクオ様が選んだ答えならば…
私は受け入れます。
鯉伴様は昔から…
リクオ様に選ばせたがっていたから・・・
妖怪か人間…
どちらの道を選ぶのかを・・・
私にとってリクオ様は…
鯉伴様の忘れ形見なのかもしれません・・・
「お守りしたい」
その気持ちに嘘はありません。
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