□鋭き畏を纏った者
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“青龍”と呼ばれた男は、とても端整な顔をしていた。



長い青い髪、どこか憂いを帯びた鋭く光る青い目。

歳の頃は夜リクオより少し上くらいだろうか。




玖音もとても綺麗だと思ったが、玖音とはまた違う。




彼が纏っている雰囲気は、とても神秘的で人間離れした美しさを放っている。

そこらの妖怪とも違う。

とても特別感が溢れる、とても不思議な雰囲気。




その何とも言えぬ青龍の美しさに桜は魅入ってしまった。











「お前……な、何でこんな所にいるんだよ!!」








玖音の声にハッと現実に戻された。

すぐ傍にいる玖音を見れば、明らかに動揺している。



こんなに動揺する玖音を見るのは初めてだ。


いつも余裕を持っている姿しか見たことがなかったから。






「舞姫がお呼びだ」




そんな玖音に静かな声音で青龍が声をかける。


その声すら威圧感があるような気がしてならないリクオと桜。





玖音はキッと青龍を睨みながら、憎たらしい口調で反論を口にする。





「ヤダね、どーせお前も行くんだろ」



「……はぁ」





溜め息をついた青龍は玖音へと近づき__







「うわっ!何すんだ!?下ろせ!!!」





玖音は猫のように首元の着物を掴まれ、宙に浮いている。



必死に逃げようと足をバタバタと動かしているが、子供の姿ではどうすることも出来ない。






「コイツが無礼を働いて申し訳ない」




それだけを桜たちに言って、玖音を掴んだまま行ってしまった。



玖音の抗議の声が聞こえたが、それもどんどん遠くへと消えていった。






『く、玖音さんがあんなに取り乱すなんて……あの方は一体何者なのでしょう…』





「さぁな。遊戯組の組員ということは分かるが…」





『青龍さん、ですか…』










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