□この世の全ては自分の駒
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ザシュッと音を立てて玖音の刀がリクオへと刺さった。






だが、リクオの体はぐにゃりと歪み消え、少し離れたところに現れた。




玖音はリクオを斬ったと思った刀を見つめて…








玖音「ふーん……これが“鏡花水月”か」








納得したように呟くとニヤッと口元を吊り上げた。







玖音「面白ェじゃねーか^^」




夜リ「………」





楽しそうに笑う玖音。


しかしリクオには何とも言えない冷たいものが感じ取れた。





例えるとしたら“冷たい華”。



綺麗だが触れたら冷たく凍りつくような…


そんな感じだ。






玖音「壊し外のある玩具で嬉しいぜ^^

舞姫でも奴良組3代目を誘き出すぐれェは出来たみてーだな」




夜リ「テメェ…本当に舞姫の側近か?」







自分が知っている側近は、主をこんなふうには言わない。



玖音が舞姫を慕っているようには思えなかった。


いや、むしろ…

































































































玖音「あの女は俺の手駒だ、遊びを面白くする為のな」




夜リ「自分の大将を駒、だと!?」




玖音「自由に動く性能の良い駒……一応この組の頭だけどな^^」



夜リ「っ!」





まるでこの世のもの全てを玩具のように思っているような目。



その紫の瞳がリクオを映す。


新しい玩具でどうやって遊ぼうかと好奇心に溢れている。






玖音「俺を楽しませてくれよ?じゃないと……桜を殺す前にテメェを殺すぞ?」




夜リ「っ桜は殺させねーよ」





刀を持っている手に力を込める。



舞姫は分からないが、玖音の言葉は本気だ。


その気になればいつでも桜を殺す。






玖音「クスッ)どうかな?我らが“姫”が痺れを切らすかもしれないぜ?」



夜リ「(コイツ、俺の心を読んで…!?)」





考えていた答えが玖音の口から出たことに驚きを隠せない。



それをさも当然のように玖音は振る舞った。






玖音「俺は、そういう妖怪なんだよ」




夜リ「……っ」












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