□すれ違う想い
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舞姫の部屋に連れてこられて、向かい合わせに座った。







『それで、お話とは…』




「単刀直入にお伺いします。

桜とリクオ様は恋仲なのですか?」





ここでリクオの話題を出されるとはと思いながら、桜は「違います」と否定した。






「では、私がリクオ様を貰っても大丈夫ですわね」




『はい……えっ






その言葉に耳を疑った。


でもそれを裏付けるように舞姫の周りがキラキラ光り、顔は高揚のあまり少し赤い。




「奴良リクオ様。あの見目麗しい容姿、強い妖気…
それでもって関東をしめる任侠一家、奴良組の3代目。

とても素敵ですわ!」







舞姫の顔は恋する乙女そのもの。


なんと返事をすればよいか分からない桜は、曖昧な言葉しか出なかった。






確かに「舞姫みたいな素直で可愛い子と付き合えばいい」とリクオに言った記憶はまだ新しいが、
まさか舞姫がリクオに恋をするとは思わなかった。








「そんなに俺が嫌なら、どっか行けよ!!
俺じゃない他の奴のとこに!!」












あの時彼に叫ばれた言葉を思い出してしまい、ムッとしてしまう。









「応援して、下さりますよね?」





桜の手を握り、ウルウルした目で桜を見る。





自分には拒否する理由がない。





『勿論ですよ、舞姫』



「本当!?嬉しいですわ!」






友達の恋が実ったらいいと思うのに、無性にモヤモヤしていた。



その理由は、やはり分からない。













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