□遊戯組
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桜が帰った後の遊戯組の屋敷。


座敷に残った舞姫は、ろうそくの火を静かに見つめていた。






「…桜のこと、どう思います?」





彼女が口を開いた途端、闇の中から純白の髪をした青年が現れる。



ろうそくの火の光りに照らされた顔は、何ともいえぬ妖しき陰を映し出す。








「どうと言われましても…、とても美しい姫君だと思いますが」




「そう。私も美しいと思ったわ。
さすがは奴良組の姫と言われるだけのことありますわね」







褒めているわりには、舞姫の表情が曇っていく。







「それなのに、人間臭い匂いが染み付いていましたわ」





妖怪なのに、と呟いた。





月夜に輝く銀髪は、漆黒の黒に。

宝石のような輝きを持つ金色の瞳は、碧翠に。





妖怪の姿を隠す人間の姿。

それも桜の姿ではあるが、何とも気に食わなかった。
















「姫様?」



「奴良組3代目、奴良リクオ様」



「………」




その名を口にし、その口元に笑みを浮かべる。

その笑みはとても妖艶だ。






「ふふっ……面白くなりそうですわね」



「…そうですね」





同意した青年の口元にも、笑みが浮かんでいた。



まるで遊びを始める子供のような、そんな顔。











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