弐
□誘いの手紙
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雪仁が調べると言ってから数時間。
彼は情報収集にも特化しているので仕事が早い。
『何か分かりましたか?』
「舞姫とは最近“遊戯組”という組の組長になった妖怪みたいです」
彼の最近は何十年前のことなのか。
そこはあえて深く考えないようにした。
遊戯組という名は記憶が曖昧だが、聞いたことはある。
誰から聞いたのか、そこが思い出せない。
『それで、遊戯組はどこにあるのですか?』
「大阪の山にあるそうです」
『そうですか。…では行ってきます』
「……え!?今から行くのですか!?」
『もちろんです!舞姫様は私に“お会いしたい”って言ってるんですから、
今すぐにでも会いに行かなければ!』
「…分かりました」
こうと決めたら行動する。
妖狐様にそっくりだな、と雪仁は感じた。
さすがあの方の娘と関心すると同時に懐かしむ気持ちもある。
彼女が見せる、妖狐である千華の面影。
それを見るたびに、彼女を護らなくてはという気持ちが強くなっていた。
.→おまけ