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□前に進むために
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▼ルカSIDE
ルーシィたちは優しいから、私に甘えていいと言ってくれた。
頼れ、とか。
どうやって頼ればいいのか、甘えればいいのか。
分からないと言い訳してたけど、きっと言われる前から、私はみんなに甘えていたんだと思うよ。
…でもね。
寄りかかったままじゃダメなの。
自分1人で立たなきゃ。
強くなりたい。
痛みを抱えて、前に、進みたい。
*
「ねえ、ルカ」
『なに?』
「本当にいいの?もったいないよ」
ルーシィは困ったような表情を浮かべ、止めてくれるけど、
これは私なりの覚悟だから―――。
『いいんだよ、ルーシィ。これは私の未練だったわけで、良い機会だから』
「でも…」
『ルーシィ』
私はルーシィに笑いかける。
ちゃんと笑えてるか心配だけど、これが今できる、精一杯の笑顔なの。
分かって、ルーシィ。
少しずつ、また前に進むから。
フェアリーテイルのみんなと、一緒に歩むから。
…だから、私は決めたんだよ。
『私は進むよ。ちゃんと、前に』
まだ振り返ることはあるかもしれない。
その時は呼びかけて。
そうしたら、また前を向いて歩く。
「…分かったよ、ルカ」
『ありがとう』
ジェラール、ごめんね。
私をずっと愛してると言ってくれたの、本当に嬉しい。
私も愛してる。
今もその気持ちは変わらない。
だけど、変わるよ。
ちゃんと変わっていく。
だから、ごめんね。
あなたに最後まで甘えちゃって。
ジェラールの言葉に甘えることにしたんだ。
『(私は、またここから始める)』
――チャキッ
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