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□あなたの元へ
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――アースランド








「きゃあああああ!!!!」
「わああああああ!!!!」




空から落下していく。
死ぬ、死んでしまう。
今までで一番命の危機を感じている。





「ふぎゃ!」




ナツを下敷きにして、何とか皆無事に生還した。





『帰ってきたんだ…、私達の世界に』





雨が降っている。
エドラスに行く前も、雨が降っていた。


フェアリーテイル、マグノリアの街は元通り。


ミストガンの言った通りだ。






「待て、まだ喜ぶのは早い。人々の安全を確認してから「大丈夫だよー!」






生真面目なエルザの言葉を、何者かが遮った。


その声を辿って上を向けば、エクシード達が空を飛びまわっている。

エクシードがアースランドに来ていることに唖然とするナツ達。






「ルカさん…!」


『!…メーベル!!』


「良かったっ…ルカさんが無事で、本当に良かったです〜…」




彼女の胸にダイブする。

ボロボロの体にかなり応える勢いだったが、何とか笑顔を保つ。

喜びで抱きつかれたと思えばうれしいものだ。




『メーベルも、無事で良かったよ』




なぜここにいるのかという疑問は後回し。

今は、再会を喜びたい。




































「冗談じゃないわよ!こいつらは危険!エドラスに帰すべきよ!」




シャルルのキツイ言葉。

彼女はエクシードという存在に不信感を抱き、
エクスタリアの危機を伝えに行ったにも関わらず、信じてもらえなかった。



謝罪の言葉を口にするエクシード達。




「そんなことはどうでもいいの!あんた達は私にドラゴンスレーヤー抹殺する使命を与えてアースランドに送り込んだ!!」


「…まだ、きちんと説明してませんでしたな」




四長老の1匹が話しを切り出した。





時は6年前に遡る。
女王・シャゴットには未来を視る力がある。
その力で、ある未来を視た。

エクスタリアが堕ちる未来を。

そしてシャゴットはある決心をした。


――未来ある子供を、別世界に逃がそうと。





それが本来の目的。
ドラゴンスレーヤーの抹殺というのは表向きの作戦に過ぎなかった。





「人間のアニマを借り、私達の作戦は成功しました。
…しかし、たった1つだけ、計算外のことが起きたのです。それは、シャルル、あなたの力」


「……!」


「あなたには、私と同じような予言の力があったのです」




そう言われて思い当たる点がいくつもあった。

城の地下通路。
あれはナツ達が捕まる未来の通路だったのだ。




「しかし、それは無意識に発動しているようで、あなたの記憶を混乱させたのです」





エドラスの断片的な未来を視たシャルルは、ドラゴンスレーヤー抹殺を使命だと勘違いした。

ありもしない使命に囚われていたのだ。



シャルルは自分の力を自覚し、今までのことは自分の力が暴走したことによる汚点だと認め、彼らがアースランドで生きていくことも認めた。








「女王様…、ボク…その…」




メーベルが申しづらそうに目を泳がせる。

心情を分かってか、シャゴットはクスッと笑みを浮かべた。




「ルカさんと、一緒にいたいのですよね、メーベル」


『……!』




俯いていた視線をシャゴットに合わせて、今までにないくらい真っ直ぐな瞳をしている。




「っぼ、ボク!ルカみたいに強くなりたいです!」


「…それが聞けて、良かったわ」




シャゴットはルカに頭を下げた。




「ルカさん。メーベルはあなたをとても慕っています。
どうか、この子を、宜しくお願いします」


『っそんな、滅相もない!…メーベルは、責任を持ってお預かりします。
私も、メーベルとまだまだ一緒にいたいですから!』




それを聞いて安心したように微笑む。

我が子の旅立ち。

しかし、誇らしい。

目標にする人を見つけ、未来に向けて向かっていく姿は何とも眩しく、立派なんだろう。


次に会う頃には、今より立派な姿を見せてくれるだろう―――。























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