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□エクスタリア
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一方のルーシィは、ハッピー、シャルルと共にナツ達の救出に向かっていた。
しかし前に立ち塞がるのは王国兵とエドラスのエルザ。
追いつめられたルーシィ達の前に現れたのは、アースランドのグレイ、エルザだった。
エドラスのエルザはアースランドのエルザが足止めをし、その隙を見てナツ達の救出へと急いだ。
ナツ達の元に着いたルーシィ達は、
意識のないナツとウェンディにエクスボールと呼ばれる、飲むとエドラスで魔法が使えるようになる丸薬を飲ませた。
盛大に咳き込んで、ナツは「止めねぇと」と呟き、叫びながらどこかに行ってしまった。
ナツ同様に目を覚ましたウェンディが、
「王国軍は、エクスタリアを破壊するために、巨大ラクリマを激突させるつもりなの!
私達フェアリーテイルの仲間をっ…爆弾代わりに使うつもりなんだ!!」
エドラスの空に浮いている浮遊島はエクスタリアの魔力で浮いている。
それが世界のバランスを取っている。
現在、王都上空にエクスタリアと巨大ラクリマが浮いているのだ。
その浮遊島に滅竜魔法を当てることで加速させ、エクスタリアに激突させることが王国軍の狙いなのだと、
ウェンディが語った。
エクスタリアの魔力と、フェアリーテイルの魔力がぶつかり合うことで、
弾けて融合し、永遠の魔力がエドラスに降り注ぐ。
もちろんそれは仮定に過ぎない。
だが、そんなことがもし起これば、フェアリーテイルの仲間が消えてしまう。
その話を聞いたルーシィとグレイは、黙り込んでしまうが、こちらに向かってくる足音で身を強張らせた。
「いやああああああ!!!」
来たのは先ほど叫びながら出ていったナツだ。
緊張損だというばかりに「ナツかよ!!」とグレイが叫ぶ。
「エルザが2人いたぁ!!何だよあれ!!何あれ!?怪獣大決戦か!?この世が終わるのかぁ!!?
……あ」
そして視線はグレイで止まる。
「グレイじゃねーか!!」
「締まらねーし、落ち着きねーし、ほんっとうぜぇな」
「…アースランドの、あたし達の知ってるグレイよ」
「何っ!?」
「色々あって、こっちにいるんだ。エルザとガジルもな」
「ハッピーはラクリマを止めに行ったわ」
「……あれ?ほんとだ!グレイさんがいる!!」
ウェンディの言葉が胸に深く刺さったのか、グレイは項垂れる。
シャルルは浮かない表情のままだが、
王国軍を止めるために動き出した。
「っ待て!そっちには怪獣が2匹もいる!!こっちだ!」
「エルザ放っておいて大丈夫?」
「あのエルザだぞ?」
「相手もだけどね」
エルザのことは心配ないということで、先を駆け進んだ。
3人の背を見送ったウェンディとシャルル。
「シャルル。私達はエクスタリアに向かおう」
「っな、何で!」
「王国軍の攻撃があることを伝えて、避難させないと!」
「私達はその攻撃を止めるんでしょう!?」
「もちろん止めるよ。絶対にやらせない!
それは、ナツさん達を信じてるから。
でも!
王国軍は他にどんな兵器を持っているか分からない!
万が一に備えて、危険を知らせなきゃ。私達にはそれが出来るんだから!!」
「嫌よ!戻りたくない!私、エクシードなんてどうなってもいいの!」
「…人間とか、エクシードとかじゃ、ないんだよ?」
静かな声音で、言い聞かすように言うウェンディ。
「同じ生きる者として、出来ることがあると思うの」
「(エクシード……エクシードなんて…)」
「私はずっと傍にいるからね。怖くないよ。ね?」
彼女の言葉に、シャルルは渋々承諾し、2人はエクスタリアへと向かった。
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ラクリマにされた人を戻す方法は、
“滅竜魔法で砕く”
この方法でガジルはエルザとグレイを元に戻したそうだ。
城外で王国兵と戦っているガジルをハッピーが掴み、上空へ引き上げた。
目的地、巨大ラクリマに到着するが、余りの大きさに唖然とする。
だがガジル達の前にパンサー・リリーが現れ、彼らの前に立ちふさがった。
彼を倒さない限り、仲間を救い出すことは出来ない。
それぞれが、それぞれの護るもののために、
戦いの幕が上げられた―――…。
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