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□エクシード
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次の日、エドルーシィはギルドに戻ると置手紙を残してナツ達の元から去ってしまった。



そして残されたナツ、ルーシィ、ウェンディ、シャルルは4人で王都へと向かうことになった。



王都へは東に3日歩けば着くというが、巨大ラクリマの魔力抽出は明後日だという。

そこでナツ達は王国軍の飛行船を奪うことにした。




だが、魔法が使えないナツとウェンディ、魔法は使えるが役立たずのルーシィ。



無力のまま飛行船は空に飛び立ってしまう。




王国軍に取り囲まれ絶体絶命に陥っていたところを助けたのが、
フェアリーテイルの紋章が入った1台の魔法四輪だった。


ルーシィに言われてきたと言う男は、王国軍を蹴散らし、ナツ達を救出した。















助けてくれたのは、エドラスのナツ。


彼はこちらの世界のルーシィの頼みで、ナツ達を王都まで送るために来たという。




ナツは助けてくれた恩を仇で返すが如く、嫌がるエドナツを魔法四輪から無理やり降ろした。



だが、魔法四輪から降りたエドナツは、乗っていた時の強気はまるでなく、気弱になってしまった。


……こっちが本当のエドナツらしい。








エドナツと別れたナツ達は、王都へと足を踏み入れた。





そこでナツ達が見たのは、他の街とは違う、遊園地のように賑わった街だった。










「なんか向こうの方が騒がしいですね」





ウェンディの言葉に、ルーシィもウェンディの向いてる方に視線を移す。



確かに他の場所よりも人が多くて賑わっている。





「パレードとかやってるのかしら?」



「ちょっと見に行ってくるかー!」


「あいさー!」



「あんた達!遊びに来たんじゃないわよー!?」





シャルルの怒鳴り声もどこ吹く風で、突っ込んでいくナツとハッピー。


仕方なくルーシィ達もナツを追いかけて人ゴミの中に入っていく。







「……!」




ナツの後を追うように上を見上げると、とても大きなラクリマが目に映った。





「ら、ラクリマ…?」


「まさか、これが…」


「マグノリアのみんな…?」


「しかも一部分よ。切り取られた跡があるわ」





ナツは何も言わずにただただ目を開きながらラクリマを見据えている。




高い塔の上に現れた人物を見て、見物客の声が更に大きなざわめきとなり広がった。


彼がこの国の王。

それは人目で分かった。



しばらくすると、彼の声を待つかのように喧騒が静まっていく。







「…エドラスの子らよ。

我が神聖なるエドラス国はアニマにより10年分の魔力を生みだした」






王の言葉にハッピーは、





「なにが生み出しただよ!オイラたちの世界から奪ったくせに!」



「…落ち着きなさい、オス猫」




シャルルの言葉を受けて、ハッピーはぐぐぐと押し黙った。








「共に歌い、共に笑い、この喜びを分かち合おう」






「「「わ―――!!!」」」







国民は泣いて喜んでいる。



その様子に、ルーシィ達は複雑な心情だった。






王は更に言葉を続けた。







「エドラスの民にはこの魔力を共有する権利があり、またエドラスの民のみ未来へと続く神聖なる民族!

我が国からは誰も魔力を奪えない!!

そして、我は更なる魔力を手に入れると約束しよう。



これしきの魔力が、ゴミに思えるほどのな」






そう言って突き刺したラクリマの欠片が、地面に落ちた。






その欠片を目にしたナツの頭には血が昇り、今にも王を殴りそうな勢いで足を進めようとしていた。



ルーシィはそんなナツを引きとめ「我慢して」と声をかける。






「出来ねェ!!アレはっ!あのラクリマは!!」



「…みんな、同じ気持ちだからっ」






ナツは必死に堪えているが、未だに王を睨みつけている。







「そして喜ばしいことがもう1つ。
我がエドラス王国の後継者が戻ってきた。

エドラス王国の姫、“ルカ・シヴィラ”!!」







周りの声にかき消されそうだったが、その名前でルーシィも顔を上げる。




王の隣りに立っている人物の顔は、確かにアースランドのルカそっくりだった。








「こちらのルカさんが、エドラスのお姫様…?」



「これは予想外ね」



「ルカ……」









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