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□もう1つの世界
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「シャルル〜!これ、おいらが取った魚なんだ。シャルルにあげようと思って」
りぼんが結ばれた魚をシャルルに差しだすハッピー。
何て健気なんだとルカは感情移入しながら、その様子を見守る。
「いらないわよ。私、魚嫌いなの」
『(猫なのに?)』
「そっか」
『(納得するんだ!!)』
「じゃあ何が好き?おいら今度…」
その言葉の続きはシャルルの怒鳴り声で掻き消された。
シャルルは「私に付きまとわないで」と言って、ギルドを出て行ってしまう。
「何もあんな言い方しなくても……ねぇ、ハッピー」
ルーシィがハッピーに同意を求めても、ハッピーは落ち込んでいる様子だ。
ハッピーはシャルルを追いかけた。
「何かシャルルって、ハッピーに対して妙に冷たくない?」
『何かあるんだと思う。何か、昔の私と似てるから…』
「確かに、フェアリーテイルに来たばかりのルカも「私に構わないで」的なこと言ってたもんね」
『まぁ、ね…』
あの時のことを思い出し苦笑い。
仏頂面をすることが多く、ふてぶてしかった自分を思い出した。
今はギルドの皆と笑っていると、昔の自分は絶対に思いもしなかっただろう。
『(雲行きが怪しくなってきたな…)』
窓越しから空を見る。
ウェンディはシャルルを心配して、捜しに行ってた。
彼女たちが心配だ。
『私、ちょっと外出てくる』
「あ、うん。いってらっしゃい」
ルーシィに見送られ、ルカはギルドの外へと。
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