『夜兎の宿命を拒む者』
□青く美しい星
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“地球”
宇宙から見た地球は青く美しい星だった。
なのに___
『暑……』
地球に来たのは今回を入れて2度目になる。
前回来た時も太陽の日がとても強く、傘を手放せなかったな。
『早く任務完了して帰ろう…』
太陽がある場所で長時間過ごすなんて冗談じゃない。
そう思いポケットに手を入れ、神威から受け取った紙を取り出そうとする。
『……あれ?』
さっきまで、ポケットに入ってた任務の内容が書いてある紙が…
ない!!
『どこで落としたんだ!?
あれが無ければ、団長に連絡出来ないし…その前に帰れない…』
あの紙には任務の他に連絡経路を書いておいたのだ。
帰りの時に迎えに来させるために。
『…嘘だろ…』
まさか、見知らぬ星でこんな事になるとは。
生憎どこに落したかも検討が付かない。
まず仮にも春雨にいる犯罪者が重要書類を落とすって自体が最悪だろ。
こんなに神威の所に帰りたいと思ったのは、初めてかも。
そんな私が悲し過ぎる。
『……ヤバいって!!見知らぬ星で迷子はマズ過ぎる!!』
「あ――!!どけどけ―――!!!」
『!?』
え?何?
地球に来て迷子になり、今度はバイクで引かれる訳…?
『(そんな事になって溜まるか――!!)』
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