『夜兎の宿命を拒む者』
□Prolog
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辺りの音は雨の音一色に染められて、私の足元には血で染まった夥しい死体が転がっている。
雨に濡れて血が血だまりになっている。
私は、雨が嫌いだった。
誰もいない中で、1人ぼっちだと思いしらされるから。
私は夜兎。
最強最悪と言われる傭兵民族の生き残り。
光に嫌われた種族。
戦いを好み、本能のままに沢山の者を殺してきた。
この透き通るような肌が真っ赤に染まるまで殺してきた。
だけど、殺しても殺しても
自分の中にある悲しみが消えない。
空しさが広がっていくばかり。
本能のままに戦って…何が残るのだろう…?
絶望の中で雨に濡れてた。
しかし、突然私に降り注ぐ雨が止まった。
そして私は…
“あいつ”と出会った…
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