『闇の中の人形(マリオネット)』

□ギルド最強の魔導士
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ギルダーツはナツに土産があると言って壁から出て行った。


ナツもギルダーツの真似をするように壁を破壊して出て行った。





『仲良いんだね。ナツとギルダーツって』





実力は天と地ほどあるが、ギルダーツはナツのことを気に入っているらしい。




余り帰ってこないギルダーツはハッピーが産まれてすぐの時にも帰ってきた。


その時はまだナツとは幼なじみの関係であるリサーナもいたのだ。


3人と1匹で色んなことをしたのだそうだ。






『何か、いいね。親子みたいで』



「そうだね」



ルーシィも微笑む。




ルカはナツが開けた穴を見て顔を顰める。




『夜の隙間風がきつそうだな〜』



「…いっそのことギルドに住み込むの止めたら?」



『うーん……ちょっとは考えとく』








**** **** **** ****









昼間と違い、夜のギルドはとても静かだ。




医務室の中は月明かりが照らし、時計の針の音だけが響く。




医務室のベットで体育座りをしながら、ルカは物思いにふけっている。






『ウィズアース……』





ナツとギルダーツを見て思い出してしまった。


自分の親であったドラゴン、ウィズアースのことを。







自分には本当の親の温もりはないは、ウィズアースの温もりはある。


あれは親の温もりだった。







『(会いたいよ、ウィズアース…)』









ドラゴンスレーヤーのナツ、ガジル、ウェンディも同じようにドラゴンに育てられた。



彼らも育て親に会いたいのだろうか。



聞かずとも答えは分かっている。






“会えるなら、会いたい”、誰しもがそう思っている筈だ。









『(会いたい……“あの人”にも)』






そんな考えが浮かび、ぶんぶんと首を横に振り、その考えを振り払う。




そして膝に顔を埋める。





『(1人になると考えてしまう…)』






声が聞きたいと願ってしまう。

抱きしめて欲しいと思ってしまう。






答えなど見つからない。





完全に忘れられる自信などない。






『もう寝よう……』





布団の中にもぐり込む。


目を閉じれば、彼の姿が脳裏に浮かぶ。







会いたいという気持ちを押し殺して、今日もまた眠りについた。











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