『闇の中の人形（マリオネット）』
□24時間耐久ロードレース
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レースは苛烈になっていく。
みんな最下位になりたくないのだ。
もちろんルカも。
『（絶対に最下位になるものか!!）』
ワイバーンの鱗を手に取り、帰りのコースへと。
超特急ジェットはどこにいるか分からない。
『ん？』
後ろを振り向くと、前にいると思われてたジェットが全力疾走で駆けている。
「何でジェットが後ろにいるんだよ!?」
「じゃあ俺たち今、優勝争いしてたってことか!?」
ジェットの凄まじい追い上げ。
『このままじゃ抜かれる…!!』
「させるか!!換装!!」
エルザが換装したのは何故かウサギの着ぐるみだった。
「ウサギー!?」
「こりゃあラストスパートかける気だー!!」
「うおぉぉぉ!!」
ナツ、グレイ、ガジル、ルカは負けないという意志で全速力で駆ける。
だが、エルザは未だにナツ達の後ろ。そこに疑問を覚えた。
「ウサギの割に遅すぎ…」
「見た目で買ったな」
「あいつ、割と形から入るタイプなんじゃねーの？」
『形から入って負けたら意味ないけど』
そうこうしている内に、ジェットがナツ達と並んだ。
優勝争いは6人に絞られた。
全員が負けず嫌いということもあり、追い越して追い抜いての一歩も譲れない戦い。
ゴールは後少し。
しかし…
「おっ!!」
ナツが石につまずき、ドミノ倒しのように優勝争いをしていたメンバーが転倒した。
そして転倒した彼らの後ろからやってきたのはハッピー。
ハッピーはナツ達を抜かしてゴールの紐へと走る。
「やったー！優勝だよー！」
「ゴール!!今年の24時間耐久ロードレースの優勝はハッピーだー!!今ここに歴史は大きく塗り替えられたぁぁぁ!!!!
COOL!!COOL!!COOL!!!」
もうナツ達は唖然とするしかない。
そして、彼らを抜かしてウェンディとシャルルがゴールへと。
後ろを振り向くと、目が血走った者たちが全速力でこちらに向かっている。
『なっ…』
「何だ!?」
「そりゃあもちろん…!!!」
「みんな、罰ゲームだけはくらいたくないのだー!!!!」
エルザがそう叫ぶと、ナツ達は彼らの波へと呑まれる。
ルカも例外なく。
「何ということだー!!魔導士軍団、この気に乗じて一気にゴール!!!
ちゃっかりエルザもゴールインだぜ！だニャン」
『え、エルザの裏切り者ー!!』
恨みごとを叫び、立ち上がる。
だがジェットに抜かれたため、彼にしがみついた。
『絶対に最下位になりたくない!!!』
それはナツ達も同じで、ジェットにしがみつく。
そのまま皆でゴール。
「おおっと！5人ともゴールインだ!!」
「「「「『何――!!?』」」」」
「今回はオーバンクロス！COOLな上にCOOLな決着を迎えました!!!
最下位はなんと、ナツ、ルカ、グレイ、ガジル、ジェットの5人です!!!罰ゲーム決定ー!!!」
「ふふふふふー、覚悟はよいかー？」
マスターは完全に楽しんでいるが、最下位になった彼らはそれどころではない。
『ま、マスター！せめて敗者復活戦を!!』
「そうだ!!」
「いかーん!!無様なことを言うでない!!魔導士たるもの仕事のしくじりと同じ！やり直しはきかんのだー！
大人しく罰ゲームに従ってもらうぞー!!」
『そ、そんな……バカな…』
「では今年の罰ゲームを発表する!!それコレじゃー！」
マスターが手に持っていたのは週刊ソーサラーだ。
「お前達5人は再来週発行の週刊ソーサラーにて超恥ずかしいグラビアを飾るのじゃ!!
超豪華どうどう20ページ、1週間密着取材つきじゃー!!!」
「「「「『な――!!』」」」」
もう絶望するしかない。
「ようやく捕まえた青い妖精ルカ!!この日をどれほど待ち望んだことか!!COOL!!」
『（い、嫌だ〜〜〜〜!!!）』
「という訳で皆さん!!さっそく衣装選びと参りましょう!!!」
もう逃げるしかない。
その考えは一致団結。
5人は逃げ出した。それを追いかけるジェイソン。
この後のことは…
皆様のご想像にお任せします。
.→To be continued...