『闇の中の人形(マリオネット)』
□24時間耐久ロードレース
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フェアリーテイルには様々なイベントがある。
そして今日は…
フェアリーテイル全魔導士強制参加“24時間耐久ロードレース”。
「ジェットの野郎、今年も余裕だなぁ」
グレイが余裕そうにしているジェットを見て、そうぼやいた。
ジェットは神足(ハイスピード)という魔法を使い、フェアリーテイル1の足の速さらしい。
「ハッ!そいつはどうだかな、優勝は俺が貰った!!」
ナツは相変わらずのようだ。
『毎年負けてたのに、よくそんな強気でいられるね』
「貰ったっていう奴にかぎって貰った試しがねーんだよ」
2人の非難をうけたが、ナツは笑いながら「秘密兵器がある」と言って優勝を狙っている。
「みんな気合入ってるな〜」
ルーシィが辺りの様子を見て感心する。
すると、ハッピーが…
「みんな罰ゲームくらいたくないからね。去年は酷かったからな〜」
「はぁ!?罰ゲームって何よ!!?」
しかし、答えを聞く前に、マカロフの声が響いた。
「フェアリーテイルの諸君!知力・体力、共にあってこその魔導士だ!
今日は存分にそのパワーを競い合って欲しい!!」
しかし、聞いていて疑問に思うことが…
『知力なんて必要なの?』
「いーや。どう考えても体力だけだ」
『…ですよね』
レースに知力が必要なんて聞いたこともない。
「ルールは簡単!ここをスタートした後に決められたコースを激走し、イヴォール山を目指せ!!今年はイヴォール山の頂上にワイバーンの鱗を置いといた!この鱗を取って、24時間以内に折り返してここまで来るのじゃ!!
脱落は認めんぞ?フェアリーテイルの魔導士たるもの、完走してこそ、明日の仕事に繋がるというものだ!
更に、多くの魔導士の要望を受け、新たなレギレーションを設けた。それが“飛行魔法の禁止”じゃ!
それ以外の魔法は使用無制限じゃ!」
それにショックを受ける者、約2名。
「で、よって、最下位になった者には世にも恐ろしい罰ゲームが待っておるぞぉぉぉ!」
『ば、罰ゲーム…』
皆の顔を見ると、去年何の罰ゲームをやったのか気になる所だが、訊くのも恐ろしい。
とにかく最下位にならなければいい話だ。
「そーれでは!いよいよスタートだ!!全員スタートラインについてくれぇ!」
週刊ソーサラーの記者、ジェイソンがそう呼びかける。
しかし、ルカは彼が苦手。
ブルーペガサスにいた頃、彼女の取材をしようとしつこくついて来たからだ。
断られても、何回もめげずに。
彼が来たら、どんなに疲れていようが寝むかろうが、ギルドには寄りつかない。
そうしてきたのに…
『(はぁ……何でジェイソンを呼んだんだ…)』
そこを残念に思いながらスタートラインについた。
「よ〜い、ドン!」
その合図と同時にぶっち切ったのは、やはりジェット。
しかし、速すぎて、こちらに被害が。
『(速ッ!)』
驚いていたら、次に飛び出したのはナツだ。
彼は拳の炎でスピードを上げていた。
名付けて「火竜の鉄拳ブースター」。
ナツを追いかけるように皆がスタートする。
「さぁて、誰が罰ゲームかなぁ?たーのしーみじゃー!」
マスターは罰ゲームが楽しみなご様子だ。←
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