『闇の中の人形(マリオネット)』

□さよなら、愛しき人
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崩れたニルヴァーナから何とか脱出した。





しかし、そこにナツ、ルカ、ジェラールの姿はない。



皆が名前を呼び、彼らの安否を心配していた。








すると地面が盛り上がり、そこから出てきたのはホットアイだ。


そして腕に担いでいるのはナツ、そしてルカとジェラールだった。








「愛は仲間を救う、デスヨ」





「たく、ヒヤヒヤさせやがる」




苦笑い気味に笑っているグレイだが、その表情はホッとしているようだ。






「ナツさん……ルカさん…」






「アレはホットアイ!!オラシオンセイスが何で…!?」





「色々あってな。大丈夫、味方だ」





ジュラの言葉もあり、ホットアイが敵ではないと思うことに。





「ナツさん…!!」




ウェンディはそう叫び、ナツに抱きつきながら涙を流す。





「本当に、約束、守ってくれた…」





ナツはそんなウェンディを見てニカッと笑う。



そして離れたら、「ありがとう」とお礼を言った。






「皆の力があったから、だろ?」



「皆の…」



「ウェンディの力もな」



「私の…?」



「今度は元気よくハイタッチだ!」




ナツの笑顔を見て、ウェンディの顔にも笑顔が浮かぶ。





「はい!」





パンっと良い音を鳴らして、2人はハイタッチをかわした。






『(終わったんだな…)』





戦いが終わりホッとするルカ。






だが、この時は…

悲しい別れが刻々と迫っていることに、誰も気づかないでいた。











____

_____

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「全員無事で何よりだね」



ハッピーがそう言い、皆が頷く。



「皆、本当によくやった」



「これにて作戦終了ですな***




「キモっ!!(汗」




ほのぼのとした空気が流れている。




それはグレイの言葉によって砕かれた。





「…で、アレは誰なんだ?」




グレイの視線の先には離れた所にいるジェラールに向いていた。



その傍にはルカがいた。



ルーシィも彼のことが分からず「さぁ」と答える。







「ルカがあんなに懐いてるってことは、ブルーペガサスのホストか?」




「うーん……あんな人いたっけ?」




2人の疑問にエルザが答える。





「…“ジェラール”だ」




その答えに2人は目を見開いて驚く。




「何ー!?」



「あの人がルカの元彼!!?」



「だが、私達の知っているジェラールではない」



「記憶を失っているらしいの…」




ウェンディが「記憶を失っている」と言っても、警戒心を解かない。


過去にあんなことがあったから当然だと思うが。




「い、いや、そう言われてもよ…」




「大丈夫だよ!ジェラールは本当は良い人だから!」




「ルカと2人きりにさせて大丈夫なの?」





また彼女が泣かないかと心配するルーシィ。



エルザは彼女達の方を向き、目を細めた。




「……今は、2人でいさせてやろう。ルカもそれを望んでいる」



「………」




静かな眼差しで2人を見る。




エルザだってジェラールに話したいことはある筈だ。


それをしないのは、ルカのためを思って。





ジェラールという存在を失った後、「ジェラールが好きだ」と泣いたルカの顔を思い出し、今の彼女を見ると、本当に会いたかったんだなと思ってしまう。



記憶がなく不安でいるジェラールも、彼女といる時は柔らかい顔でいる。




2人の間には、切れない絆のようなものある気がした。





ジェラールが記憶を失くしても、彼はルカの存在を覚えていた。









エルザには2人を見守ることしか出来ない。






自分の気持ちを押し殺して。







「(ジェラール。またルカを泣かせてくれるなよ)」













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