『闇の中の人形(マリオネット)』
□希望の名
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「やれやれ、内輪モメなら別の所でやってくんねェかな」
ナツ達の方に指を向けた。
「うっとおしいんだよ!!!」
ゼロの魔法・常闇奇想曲(ダークカプリチオ)をナツ達に向けて放った。
『……!!!』
直撃を受けるであろうルカ。
そのスピードが速すぎて魔法も間に合わない。
腕でその魔法を受けようとしたが、
ドカァン!!
『ジェラール…!!!』
ルカの前にジェラールが立ち、ゼロの魔法からナツとルカを護った。
ナツの瞳にはその光景がシモンと重なって見えた。
ルカも同じく、楽園の塔で命を落としたシモンのことを思い出した。
倒れそうになったジェラールを何とか受け止め、ゆっくりと地面に寝かせる。
「お前…」
「はぁはぁはぁ……俺をやるのは、いつでも出来る。
もう、こんなにボロボロなんだ。
今は、奴を倒す力を…」
そう言って手に灯った炎の色は、普通の炎とは違う。
「金色の炎…」
「これは“咎の炎”…」
「咎の炎…」
「許しなんていらない、今は君に力を与えたい。
俺は君を信じる。
エルザが、ルカが信じる男を……俺は、信じる」
その言葉を信じたナツは、ジェラールの炎を受け取った。
金色の炎を食べつくしたナツは、ゼロを見る。
「ごちそうさま、確かに受け取ったぞ…ジェラール」
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