『闇の中の人形(マリオネット)』

□生きろ
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『っ〜〜〜…エルザ…お、重い…』




「失敬な!」






ニルヴァーナが発動され、

何かの建物の上にいるルカは、落ちそうなエルザの腕を掴み、エルザはジェラールの腕を掴んでいる。




もやしのように細身なルカの細腕が人2人を上に引き上げようとしていた。


ただでさえ2人なのに、その2人が鎧を着ている女と男性を引き上げるのは至難の業だ。








『と、りゃあああ!!』






だが、そこはドラゴンスレーヤー。



底力を出して、2人を引き上げた。






『(つ、疲れた…)』






せめてエルザに鎧を脱いで欲しかったと思ったが、それは呑みこむことにした。






「ジェラール、自分の体にかけた自律崩壊魔法陣を解け。

お前には……生きる“義務”がある」




「っもう…終わりなんだ…」






そう口にしたジェラールに、「終わってないよ」とルカが言い、ある方向を指さす。




視線の先には、

ニルヴァーナの足を伝ってこちらに向かっているナツ、ルーシィ、グレイの姿。



他にも様々な人がこちらに向かっている。








『…私達は絶対に諦めない』



「希望は常に繋がっているんだ」



『…生きて、この先の未来を確かめよう?ジェラール』





そう言いながらジェラールに手を差し伸べる。





「…行くよ。一緒に」





ジェラールは微笑むと差し伸べた手を掴み、立ち上がる。




彼の手に触れたルカは、やっと届いたと思い掴んでいる手に少しだけ力を込めた。



どんなに手を伸ばしても、彼はいない。

もう手が届かないと思っていた。








だけど、まだ自分の手は彼に届いた―――









「わ、私はお邪魔なようなので退散するとしよう」




エルザはほのかに顔を赤らめている。


明らかにルカたちに気を利かせているのか、挙動不審だ。





ルカは顔を赤くして、焦ってジェラールから手を放した。






『み、みんなで行く方が安全だし、みんなで行こう!うん!!』






今度はルカの方が挙動不審になった。









再会したことを喜んでいる暇はない。


ニルヴァーナは復活し、進み出したのだ。





























ウェンディとシャルルのギルド。




化猫の宿(ケット・シェルター)へと…












.→To be continued...
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