『闇の中の人形(マリオネット)』

□天空の巫女“ウェンディ”
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「ケットシェルターから来ました、“ウェンディ・マーベル”です。宜しくお願いします」










「…女?」



「「子供?」」



「お、お子ちゃま…?」



「驚いたな、この子が…」







皆の反応はそれぞれだが、驚いているとい点は変わらない。



目の前に現れたのが気弱そうな小さな女の子なのだから、驚くのは当たり前だ。







「これで全てのギルドがそろった」



「話進めるのかよ!!」



『進めなきゃ、進まないからね』






グレイのツッコミに、ルカは苦笑いを浮かべる。


さすが聖十のジュラ。


この状況を打破するとは…。








「それにしても…」



「この大がかりな作戦に、こんなお子様1人を寄こすなんて…
ケットシェルターはどういうおつもりですの?」







「あら?1人じゃないわよ?ケバイお姉さん」








現れたのはハッピーと似たような白い猫。


それを見たルカは「ハッピー2号…」と呟いた。






「シャルル!ついて来たの?」



「当然よ。あなた1人じゃ不安でしょうがないもの」






「「「猫!」」」




トライメンズが今気づいたかのように声を出す。

しかも無駄にカッコよく。





「今頃!!?」





ルーシィのツッコミは相変わらず切れが良い、とルカは思った。





そして、シャルルと呼ばれた猫を見たハッピーの目はハートマークに。


これはハートを射抜かれたんだな。








その空気に耐えかねたのか、ウェンディという名の少女は…






「あ、あの……あたし…戦闘は全然出来ませんけど……皆さんの役に立つサポートの魔法はいっぱい使えます……だから…

だから仲間外れにしないで下さい〜…」





弱気にそう言った。


泣きそうなウェンディに、エルザが笑いかける。





「すまんな。少々驚いたが、そんなつもりはもうとうない。

宜しく頼む、ウェンディ」





ようやく一員だ、と言われ、ウェンディは顔を綻ばせる。






「わぁ!エルザさんだー!本物だよ、シャルル!」



「思ってたより良い女ね」




小声でエルザを褒め称える。








「さぁ、お嬢さん。こちらへ」



「あ、あの…」




「早ッ!!」






ウェンディをナンパするトライメンズをよそに、ルカはウェンディの魔力の違和感に気づいていた。





『………』






…この魔力、普通の魔導士と、何かが、違う。




























「あ、あの〜…」



先ほどまでルーシィ達が座ってたソファーに座らせられたウェンディは戸惑っていた。


突然のことに戸惑っているようだ。








「んー」



「あ?どうした?ナツ」



「…ウェンディ…どこかで聞いたことがあるようなないような…」



『どっちよ』



「お前、あの子知ってんのかよ?」



「思い出してくれねェか?」



「知るか!!」






気になってウェンディを見れば、彼女と目が合う。


なぜかウェンディはこちらを見て微笑んだ。







『……?』























「だから遊びに来たんじゃない!片づけろ!!」



「「「かしこまりました!!おっしょう様!!」」」






『はぁ……また呼び方変わってるし…』



「あれだけ一貫性がないと、いっそあっぱれだよな、オイ」














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