『闇の中の人形(マリオネット)』

□ファンタジア
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ラクサスは徐々にこちらに近づき、周りの人は警戒からか後ずさる。


中には攻撃態勢に入ろうとしている者もいた。






「…ジジイは?」




ラクサスがマカロフのことを尋ねるが、答える者はいない。





「ラクサス!!」


「テメェ…!!」


「どのツラさげてマスターに会いにきやがった!!」


「そーだそーだ!!」







ギルドの皆は口々に文句を言い出した。



ザワついたギルド内に「よさないか!」とエルザの一喝が響き、静まり返った。





「奥の医務室だ」





ラクサスはそれを聞くと、エルザを通り過ぎて奥へと進もうとした。





その時、







「んふぁ―――っ!!!!」





ナツは今出せる大声で叫び、ラクサスの前に立ち塞がった。





そしてラクサスを指差すと、





「んふぐふんん!んんんぐんぐんんんー!!ふふぐふ!!!」





ナツ以外のギルド内の者は唖然としてしまった。





『(何て場違いな奴なんだ…)』





この場面で言葉が話せない奴が叫んだらこうなる事ぐらい目に見えていた筈だ。



ナツらしいといえばナツらしいが、今の雰囲気ではあまりにも場違い過ぎる。







「通訳宜しく」




ルーシィに頼まれ、ガジルと2人で通訳をすることに。





「“2対1でこんなんじゃ話にならねぇ”」



『“次こそはぜってー負けねぇ”』



「“いつか勝負しろ!”」



『“ラクサス!!”…だってさ』




「て、勝ったんでしょ?一応」



「…俺もアレを勝ちとは言いたくねぇ
あいつはバケモンだ。
ファントム戦に参加してたらと思うとゾっとするぜ…」







しかし、ラクサスは目の前に立っていたナツの横を通り過ぎた。






「ふぁぐんんー!!!!」





無視すんなー!と抗議するナツに、ラクサスは軽く右手をあげ、奥の医務室へと消えていった。



ルカはそんなラクサスの背を見て、口元に微かな笑みを浮かべた。





『(素直じゃないな)』










「さぁ、皆!ファンタジアの準備をするぞ!」






「「「「おー!!!」」」」


















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