『闇の中の人形(マリオネット)』

□心の迷い
1ページ/2ページ




空には300個の神鳴電を一気に壊す為に、エルザは自分の魔力を振り絞って、剣を出している…




「ハァハァ……後100本の剣がなければ…」




『エルザ!!』



「ルカ!!無事だったか!!」



『…うん』



何とも言えぬ表情を浮かべるが、何も言わなかった。





『私も手伝うよ、1人で背負わせない』



「し、しかし!お前の魔力はラクサスとの戦いで…!」




『それはエルザも一緒でしょ?

それに、私1人だけじゃないしね』





〈おい!!みんな聞こえるか!?〉




「ウォーレン!」




〈一大事だ!!!空を見ろ!!!〉






『念話、ウォーレン・ラッコーの魔法。

ブルーペガサスにいても噂ぐらいは聞いてる』




ルカは辺りを見渡していたエルザにそう言った。




〈くたばってる奴は、さっさと起きろ!!〉




ウォーレンは皆に呼びかける。




〈喧嘩してる奴は取り合えず中止だ!

よく聞け、オマエら!!

街の上に浮かんでる物をありったけの魔力で破壊するんだ!!!
アレはこの街を襲うラクサスの魔法だ!!

時間がねぇ!

全員でやるんだ!!!〉







「ウォーレン、お前…なぜ神鳴殿の事を…」




『旅の間に知ったとか?』






〈その声はルカとエルザ!!無事だったか!?〉




『グレイ…、そっか、グレイが見つけてくれたんだね』




〈エルザだって!?〉

〈石から戻ったのか!〉


〈オイ、エルザが無事って事は他の子たちは…!?〉

〈レビィは…!?〉





〈みんな無事よ。安心しなさい〉




『カナ!』




〈ジュビアも大丈夫だ〉


〈ビスカも無事よ、アルザック!〉




安心させるように、フェアリーテイルの皆の声が頭の中で響く。




〈すまねぇ、俺のテレパシーはギルドまでは届かねぇ!

とにかく聞こえてる奴だけでいい!!あの空に浮いてるものを――〉



〈オイ!てめぇ!!俺に何したか忘れたのかよ!?〉



〈マックス!!?〉





このやりとりをきっかけに、他のメンバーも騒ぎ始めた。





〈喧嘩なら後でやれー!!!!〉




〈〈〈〈お前が言うなー!!!!〉〉〉〉




グレイが怒鳴れば、他のメンバーが怒鳴り返してくる。





『っ黙れ―――!!!』





〈〈〈〈〈!!!〉〉〉〉〉





大声で叫ぶと、皆が息を呑んだように静まり返った。





『今は喧嘩をしてる場合じゃない!分かるでしょう!?

このまま神鳴電が発動したら、街の人達が危ない!!命も危険かもしれないんだよ!?

皆で街を守らなくてどうするの!?

私は、皆で協力する事を……フェアリーテイルに来て、初めて知った。

それがフェアリーテイルじゃないの!?

ギルドが、街を守らなくてどうすんのよー!!!!』





ルカの声が皆の耳に響いた。


喧嘩をしていた者も、彼女の言葉に耳を傾けた。






〈ルカの言う通りだよ!〉






ルーシィがルカに同意したのと同時に、皆の心が1つになった。










.
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ