『闇の中の人形(マリオネット)』
□青髪の青年、会いたかった…
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『ここか……』
ルカがマグノリアに来て日は浅い。
だが街の中心くらいは分かる。
扉を押し、重い音を立てて扉が開いた。
奥を見ると、金髪の男が座っている。
間違いない。
ラクサスだ。
「お前が1番乗りか、気の強ェお嬢さんよォ」
『…天狗になってるその鼻をへし折りにね』
「相変わらず気の強ェ女だ。嫌いじゃねェよ?その性格」
『そりゃどうも』
軽口を叩いているが、2人の間には何とも言えない圧迫感があった。
「見せてもらおうじゃねェか。噂に名高い【水竜(ウンディーネ)】の力」
『望む所!こっちは目茶苦茶怒ってるんだから!!!』
腕に高圧の水を纏い、ラクサスに向かって殴りかかる。
しかしラクサスは雷になり、ルカの攻撃を避けた。
「はっ!そんなもんかよ!?水竜の力は!!」
『まだ力を少ししか出してないのに、随分と余裕そうだね?』
「水と雷、相性最悪だ」
『…相性なんて関係ない。私はただ……あんたを打ん殴る!』
人差し指をラクサスに向けて言い放つ。
「フンッ…可愛気のねェ女だ」
激しい戦いが始まる。
攻撃しては防御する。
それの繰り返しだ。
しかし__
『!!!』
反応が遅れ、ラクサスの雷が直撃してしまった。
『っ…!!!!』
水を操るルカにとって、雷は天敵に近い。
ビリビリと体を痺れさせる激痛。
悲鳴を必死に噛み殺す。
「“降参する”っつったら助けてやってもいいぜ?」
『…誰が…言う、ものかっ!お前がマスターに……謝ってっ…この下らないゲーム……終わりにしなさい…よっ!!』
痛みの中で声を絞り出す。
「口の減らねェ奴…
神鳴殿発動まで、後6分。もう時間がねェぜ?」
『っ…!!!!』
雷の威力が増した。
痛みの中で鐘の音が耳に入ってきた。
そしてラクサスの雷が止まり、ルカはその場に倒れた。
『な、何……』
痺れて動かない体を動かして、扉の方を見る。
マントに身を包んみ、背には杖を何本も背負い、顔をマスクや布で隠した者が立っている。
背丈からすると男だ。
「おぉ…来たか、“ミストガン”」
『ミスト、ガン…?』
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