『闇の中の人形(マリオネット)』
□過去、いつまでも…
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《ルカSide》
黒い闇の中…
声だけが響く…
「僕を見つけて…」
あなたは誰?
暗くて、姿がよく見えない…
「君に……会いたい……お願いだ……僕を見つけてくれ……」
暗闇の中で、光るのは小さな雫。
涙…?
何で、あなたは泣いてるの…?
あなたは一体……
誰…?
「僕の名は―……」
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『ん……』
目を開けると目を差す光が眩しい。
眩しく1度目を閉じ、再び目を開けた。
ぼんやりとした視界が徐々にハッキリとしてくる。
『(ここは…)』
見えたのは部屋らしい天井。
背中には柔らかい布団の感触。
どうやら自分はベットで横になっているみたいだ。
「ルカ!!目が覚めたんだね!良かったー!」
視界に入ったのはルーシィだった。
その表情にはどこか安堵のようなものが混ざっていたような気がする。
『ルーシィ。ここはどこ…?』
そう問うと、答えたのはルーシィではなく、すぐ近くに立っていたグレイだ。
「ここはアカネリゾートにあるホテルだ」
「ルカ大丈夫?顔色悪いよ?」
覗きこむように心配するハッピー。
「お前は、あれから2日間眠り続けていたんだ」
エルザの声がして、そちらを向くと、彼女の体の所々に包帯が巻かれている。
『…ナツは?』
そう問いかけると、少し微笑んで、私の隣りに視線を移す。
私はエルザにつられるように横を向くと、ナツがいびきをかきながら眠っていた。
やはりナツの体にも包帯が巻かれている。
無理もない。
ジェラールと戦ったのだから…
「さてと、目覚めたなら話してもらおうか。お前のこと」
グレイの言葉に、ドクンッと心臓が跳ねた。
『………』
彼の問いかけに何て答えたらいいか分からずに黙っていると、ルーシィが私とグレイの間に割って入る。
「ちょっとグレイ!ルカは起きたばっかなんだから」
「そうだよ!グレイ酷いよ!」
ルーシィとハッピーに非難の言葉を受け、顔をしかめた。
「今しかねェだろうが!ギルドに戻ってからじゃあ、コイツ話さなくなるだろうしな」
「だからって今は聞かなくていいでしょ!ルカにだって言いずらいことの1つや2つ…」
『…話すよ、私のこと』
「え?」
ルーシィは私の方を見て「大丈夫なの?」と訊くが、コクッと頷いた。
「本当にいいのか?」
エルザが更に確かめるように訊いてくる。
首を縦に振り、上半身を起こし、ルーシィ達を見た。
『今のままじゃ…、私は前みたいに皆と一緒にいられないから…
話す…私の過去のこと…』
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