『闇の中の人形(マリオネット)』

□運命、どちらの味方?
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《ルカSide》









魔力の揺れが収まった。




どうやら三羽鴉(トリニティレイヴン)が倒れたようだ。







だとすれば、エルザがもう少しでここに来る…









『(私はどんな顔して会えばいいの?)』



















「もう止めておけ。

そろそろ魔力の限界がきているんじゃないか?」





ジェラールにそう言われたが、首を横に振る。






『…大丈夫。後もう少し…ゼレフのために魔力をあげたいの…』








私は中央にある水晶に手を当て、魔力を送りこんでいる。



Rシステムには27億イデアもの膨大な魔力の供給が必要だった。



少しでもそのタシになればと、水晶に魔力を送りこんでいた。













『(ゼレフ…)』





あなたに訊きたいことがある。








『(だけど……そのためにはエルザが…)』






どうしよう…



どっちを選べばいいんだろう?
















「君に会いたい…僕を、見つけてくれ…」










ゼレフ…









________

__________












『!(この匂い…)』







もう来たんだね。



エルザ…








「やれやれ……もうゲームは終わりか…」



ジェラールがつまらなそうに呟いた。



「人の命で遊ぶのがそんなに楽しいか?」



エルザはジェラールを睨む。


ジェラールの答えは分かり切っている。




「あぁ、楽しいねぇ」




『………』




「生と死こそ、全ての感情が集約される万物の根源。

逆に言えば、命程、つまらなく空しいものもない…

久しぶりだな……エルザ」




そっか。


エルザとジェラールは昔の仲間だったっけ。






「ジェラール…」





だが、エルザの目はジェラールを怨んでいる目だ。



このままだと、エルザとジェラールが殺し合う。




私は静かにジェラールの前に立った。






「…ルカ、そこを退いてくれ」



エルザにそう言われたが、私はその言葉に首を横に振るう。




『退かないよ』



「お前はジェラールに騙されているんだっ!」



『…そう思うの?』




「っルカ!!私はお前と戦いたくないんだっ!!」




戦いたくない。


その言葉は嘘ではない。

エルザの表情からそう分かった。



私も戦いたくはない。




だけど…





戦わないといけないから…






『そんなの……エルザらしくない』





腕に水を纏い、エルザへと攻撃した。





「っ……ルカ!!!お願いだ!!そこを退いてくれ!!!」



『退かせてみなよ』






私はエルザとも戦う。








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