『闇の中の人形(マリオネット)』

□水の滅竜魔導士
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宣言通り、ルカは必要以上にギルドの者としゃべらず、
彼女がフェアリーテイルに来て数日が経った。








ギルド内で食事をしている彼女に近づく足音が1つ。







「オイ」




仏頂面で彼女が座っている机の近くに立ったのはナツ・ドラグニル。


彼の声が自分に向いているのが分かると、ルカは一旦食べるのを中断し、顔を上げてナツの方を見た。






『なに?』





彼女の声もナツに負けないくらい不機嫌そのものだった。






「“慣れ合うつもりはない”ってどういう事だよ?」



『そのまんまの意味』





短い答えだが、十分過ぎる回答だ。


ナツから視線を逸らし再び食事をしようとパンを手に取ろうとしたが、


ガシャ―――ンッ!!


盛大な音と共にテーブルの上の食事は無残に床に散らばり、テーブルは遠くの方に吹っ飛んだ。


それをやったのはただ1人。



食事の邪魔をされたルカは、やった人物をその蒼い瞳を鋭くしギロリと睨んだ。


睨まれた本人の形相は、彼女動揺に怒りを露わにしていた。





「表に出ろ!!俺と、勝負だッ!!!」





そう高らかに宣言した。


ナツの宣言を聞き、静まり返っていたギルド内がザワつき始める。




彼がこう宣言するのはいつものことだが、ブルーペガサスから来た未知の魔導士ということもあり、みな興味津津といった感じだった。






「ちょ、ちょっとナツ…!」





ルーシィは勿論止めようとしたが、





『…いいよ、火竜(サラマンダー)』




意外なことにルカが了承した。

彼女は余程ご立腹らしい。





「よっしゃ!燃えてきたー!!」




ナツは拳に炎を纏わせやる気十分。




2人の間には火花が散っているように見えたルーシィはヒヤヒヤしていた。





ただでさえ無茶苦茶なナツと、その実力が未知数なルカのガチ喧嘩。






今回は何が壊れるのやらと、気が気じゃない。










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