『闇の中の人形(マリオネット)』

□Prolog
2ページ/5ページ




幽鬼の支配者(ファントムロード)との戦争が終わった後…






「何の用じゃ?」




フェアリーテイルのマスター、マカロフ・ドレアーが水晶ラクリマを通して、ラクリマに映っている人物に話しかける。





「あなたに折り言って頼みがあるのよぉ」





水晶ラクリマに映っているのはブルーペガサスのマスター、ボブ。


マカロフとは旧知の仲である。




「頼み?」



その問いを訊き返せば、ボブは少し深刻そうな顔を浮かべた。





「今が大変な時期だっていうのは分かってるんだけど…

うちのギルドの子をそっちで預かって欲しいのよぉ〜」





つまりはフェアリーテイルで預かって欲しいということだ。

その申し出にはさすがのマカロフも驚いた。






「そのガキに手を焼いているようじゃのぉ…」



「手を焼かされた子ほど可愛いんだけどねぇ〜」





その声はどこか優しく、その子を大切に思っていることが窺える。


ボブはその子の事を我が子のように思っているようだ。





「その子ねぇ……顔も可愛いし、魔力も桁違いで、戦闘力も申し分ないのだけど…

少し“問題”があるのよ…

そっちのギルドにいれば、あの子の心にも何かしらの変化があるかもしれないしねぇ」







“問題”

その問題はブルーペガサス内で解決出来ないことなのか。




そこはあえて聞かないことにした。








「…よし、そのガキは“妖精の尻尾(フェアリーテイル)”で引き取らせてもらう」






その答えににっこりとしたボブ。






「宜しく頼むわねぇ」












.
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ