『闇の中の人形(マリオネット)』
□Prolog
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幽鬼の支配者(ファントムロード)との戦争が終わった後…
「何の用じゃ?」
フェアリーテイルのマスター、マカロフ・ドレアーが水晶ラクリマを通して、ラクリマに映っている人物に話しかける。
「あなたに折り言って頼みがあるのよぉ」
水晶ラクリマに映っているのはブルーペガサスのマスター、ボブ。
マカロフとは旧知の仲である。
「頼み?」
その問いを訊き返せば、ボブは少し深刻そうな顔を浮かべた。
「今が大変な時期だっていうのは分かってるんだけど…
うちのギルドの子をそっちで預かって欲しいのよぉ〜」
つまりはフェアリーテイルで預かって欲しいということだ。
その申し出にはさすがのマカロフも驚いた。
「そのガキに手を焼いているようじゃのぉ…」
「手を焼かされた子ほど可愛いんだけどねぇ〜」
その声はどこか優しく、その子を大切に思っていることが窺える。
ボブはその子の事を我が子のように思っているようだ。
「その子ねぇ……顔も可愛いし、魔力も桁違いで、戦闘力も申し分ないのだけど…
少し“問題”があるのよ…
そっちのギルドにいれば、あの子の心にも何かしらの変化があるかもしれないしねぇ」
“問題”
その問題はブルーペガサス内で解決出来ないことなのか。
そこはあえて聞かないことにした。
「…よし、そのガキは“妖精の尻尾(フェアリーテイル)”で引き取らせてもらう」
その答えににっこりとしたボブ。
「宜しく頼むわねぇ」
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