弐
□この世の全ては自分の駒
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桜「ん…」
目を開けたら日の光りが目に差しこむ。
地面に手をついて上半身を起き上がらせる。
舞姫「お目覚め?桜」
桜「舞姫!!」
駆け寄ろうとしたが、檻の鉄棒が邪魔をする。
その棒が桜と舞姫を遮っていた。
桜「…何故なのですか?何故、私やリクオ様を…」
舞姫「…それは、リクオ様が勝利してからですわ♡
ですが、もうリクオ様が勝利する確率は万に一つもありませんが」
桜「っそんな事ありません!!リクオ様が負けるなんて…そんなこと…」
舞姫「この妖気を感じても、まだそんな事が言えるのかしら?^^」
桜「っ……」
この妖気は禍々しくて冷たい…
とても強くて恐ろしい妖怪だということが、この妖気から察することが出来る。
その妖気の中に、リクオの妖気を感じる…
舞姫「今リクオ様が戦っているのは我が遊戯組の幹部の1人、玖音ですわ。
あの子の実力はリクオ様以上…
ぬらりひょんの孫だとしても、勝てるとは思えません」
桜「(リクオ様…)」
鉄棒に触れると冷たい感触だけが伝わってくる。
今すぐに彼の元に行きたい。
自分が妖怪の姿に戻ればこの檻は壊せるだろう。
だけど、それは同時に舞姫と戦うことになる。
それだけは出来ない。
彼女が何故自分を狙うのかは分からない…
だけど、桜にとっては彼女は“友達”で…そんな相手と戦いたくない。
桜「(リクオ様、無茶だけはしないで下さい…)」
舞姫「フフ^^(恋というのは残酷ですわね)」
楽しそうに笑う舞姫を見て、桜は不思議で仕方ない。
―舞姫は玖音さんが心配じゃないのでしょうか?
空を見上げる彼女の顔は…
少しだけ淋しそうな目をしていた…
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