『桜の下の姫君へ』
□宣戦布告!?
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遠野に来て、5日目の朝。
桜の混乱した頭は、落ち着きを取り戻しつつある。
5日間、家事と修行を両立して、かなり大変な日々を過ごしていた桜だが…
―泊めて貰ってるので、これぐらいはお手伝いしなけえば!
というような考えの持ち主なので、誰が止めても手伝いをしようとする。
淡島「桜ァ〜、はよ〜……」
欠伸をしながら、淡島が現れた。
桜はパアっと笑顔を向ける。
桜「おはようございます^^淡島さん」
そして桜には実感を得ていた。
京都では妖気が溢れていて、女の淡島と一緒にいる事が多かったので、男の淡島に会うと…
―やっぱり男の人にもなるんだな…
女の姿でも目線は上の方だったが、男の姿だと更に上を見ることになる。
淡島「ん?どうした?俺の顔になんかくっ付いてるか??」
桜「いえ、そういう訳では…ないんですけど…^^;」
桜は目を逸らす。
淡島は…そんな桜の頬に触れた…
急に触れられて、ビックリしたように淡島を見上げる…
淡島「桜、俺はー……」
淡島が何か言いかけた時…
「桜」
桜「え…?」
聞きなれた声を聞いて、まさかと思って声のした方へ振り向く。
そこには…
桜達の後ろにいたのは、リクオだった。
桜「な、何でここに…?」
夜リ「…迎えに来たぜ。まぁ、このセリフは2度目だな」
苦笑いを浮かべるリクオに、桜は何とも言えない嬉しさと、勝手にいなくなってしまった罪悪感が生まれてきた…
桜「えっと……ごめんなさい!急に、いなくなってしまって…」
夜リ「まぁ急にいなくなられるのも2度目で多少ビックリしたさ。
でも……俺も悪かった」
桜「リクオ様……」
夜リ「帰ろうぜ?皆、お前の事を心配してるんだ」
桜「は、はい…!」
リクオの元に向かおうとした時、淡島に腕を掴まれて、引きとめられた。
桜は淡島の方を振り向く…
桜「淡島さん…?」
淡島さんは、今まで見た事もないような真剣な目で桜を見ていた…
掴んだ手の力は、リクオの元には行かせないと言っているようなものだった…
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