長編

□Sweet Lemon
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(side柚季)

『…。』

重い空気が2人の間に流れた。
原因は簡単だった。
俺が朝、柚斗に冷たくしすぎたんだ。
悲しそうな柚斗の目が俺の胸に
突きつけられる。
今にも泣きそうな目だった。
俺は何をしてるんだろう。
ただ柚斗を愛したいだけなのに。
もし、柚斗に嫌われて、
話すことも会うことも出来なくなったら、俺は生きていけなくなるのに。
本当つくづく俺はバカだ。

『柚斗。朝はゴメンな。
せっかくお前が俺を起こしに来て
くれたのに。えっと…その…』

上手く言葉と気持ちが一致しない。
なんて言えばいいんだろう。
気持ちばかり先走って、
いい言葉が見つからない。

『くっくっく…笑笑
あはははははは(笑)
ゆずがテンパってる!笑
新鮮な感じ!かわいい!笑』

あー…俺はこの笑顔1つで
こんなにも温かい気持ちになるんだ。
今まで悩んできたことさえまるで
全てを消しさるような笑顔。


『お前のそういう所が俺はすげぇー
好きなんだろうな…。』



えっ…俺…今何ていった??
目の前には目をパチクリする柚斗。

『えっ、あ、えーと…』

あーあ…何か言って誤魔化さないと
もう二度と一緒に居れ無くなる!

『ゆず。それ本当?
それは友達としての好き?』

柚斗の目からは大粒の涙が静かに
頬をつたった。
言葉より、理性よりも
先に身体が動き、俺は柚斗を
抱きしめていた。

『俺は…こうゆう意味でお前が
好きなんだ。抱きしめたい。
キスしたい。ずっと思ってた…』


(side柚斗)

『…。』

重い空気が俺ら2人を包んでいた。
原因は俺が…俺が…悪いに決まってる
勝手にゆずの部屋入って起こしたから
ゆずは怒っているんだ。
どうしよう。
何ていって謝ればいいんだろう。
このまま…ゆずと話せなくなるなんて
絶対に嫌だよ。
今にも泣きそうな気分だった。

『柚斗。朝はゴメンな。
せっかくお前が俺を起こしに来て
くれたのに。えっと…その…』

えっ…ゆず何を言ってるの?
俺が全部悪いのに。
ゆず…ゆず…。
俺の中でどんどん大きくなっていく
この気持ち。
もうしんどいよ。

『くっくっく…笑笑
あはははははは(笑)
ゆずがテンパってる!笑
新鮮な感じ!かわいい!笑』

上手く笑えたかな?
ゆず…。

『お前のそういう所が俺はすげぇー
好きなんだろうな…。』

へぇ?何言ってんの?
ゆず…。それはどう意味?
怖い。でも聞かずにはいれなかった。

『ゆず。それ本当?
それは友達としての好き?』

俺の目からは涙が流れ
ゆっくりゆっくりと頬をつたって
落ちていく。
次の瞬間俺はゆずの腕の中にいた。

『俺は…こうゆう意味でお前が
好きなんだ。抱きしめたい。
キスしたい。ずっと思ってた…』

えっ…ゆずは俺と同じ気持ちだったの

『ゆず…俺もゆずがゆずのことが
ずっと好きだったんだ。
でも嫌われたくなくて言えなかった。俺もゆずに抱きしめられたい、
キスされたい。』

俺の中にあった気持ちが
全て涙と共に溢れだした。

次の瞬間俺は思いっきり
引き寄せられてキスをしていた。

『んんー…はぁ…んん…ぅぅ』

息も出来なくなるぐらいのキスを
ゆずは俺にしてきた。
でも…同時に俺はこんなにも
ゆずに愛されているのだという
幸福感に満たされた。

『愛してるよ。柚斗…』

甘い言葉が俺の耳をくすぶった。
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