8色キセキ×2

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土曜日。
 

今日は部活もオフということで、祥吾君は昨日から帰ってきません。

一応、昨夜に友人宅に泊まるということをメールで受け取ったので、心配はしていません。

母子家庭であるため、母は夜勤から帰ってきて、現在就寝中。

私は洗濯などを済ませた後、母の朝食、というよりも昼食と言ったほうが正しいですね。

軽くおかずを作って、書置きをし、家を出ました。

といっても、特に目的はありませんが。
 

以前はカラオケで私と同じような境遇の友人達とカラオケに行きましたが、赤司君に私たちのことがばれないようにするため、頻繁には集まることができません。

だから、よくチャットで情報交換をしているのです。
 


それにしても、本当に人生というものは不可思議ですね。

前世の記憶を持ったまま、前世では漫画として紙上に記載されていた世界で来世を過ごすことになるなんて。

ましてや、それが名と姿を紙面上に記載されたキャラクターの親族であり、そんな人が私が知る限り他に7人もいるなんて…。

二次元の世界といっても、名も姿形も特に記載されないキャラクターがほとんど。

その中で、メインとも言える人々の親族として生きることは実に類稀なことだと思うのです。
 

紙面上では悪役として描かれていた祥吾君でしたが、実際彼の双子の姉として苦楽を共にしていると結構可愛いところもあるんです。

小指を柱にぶつけて、周りを見渡し見られていないことに気づいてから悶え苦しむところをこっそり目撃してしまいました。


可愛いですね。


思春期だから致し方ないとは思いますが、ついつい虚勢を張ってしまうようです。

自宅なので、そこまで気をはらなくてもいいんですけどね。


少し寂しいです。


もうちょっと頼ってほしいんですけど、やはり両親の離婚などが原因しているんでしょうか…。

不仲になってから、喧嘩をするようになっていましたので。

それを止めずに参加してしまう私も私なんですが…。

でも、私は暴力沙汰は嫌いなんですよ?
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