キセキの始まり

□10Q
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「結構、多いんですね」

「そりゃぁ、古豪の女帝、開桜女子学園対新設校の誠凛高校の試合だからだろ」
 

練習が終わってから、女子の試合がある会場についた。

観客席はいい場所とれたし、万々歳。

なのに、隣の相棒様は不機嫌モード。



「………何でいるのだよ」



「そりゃぁ、レイが出るから」

「野守さんが出るから」
 


即答で応えた宮地さんと俺。

その返答に呆れたご様子の相棒様。


「……不純なのだよ」

「「緑間に言われたくねぇよ」」

「何でなのだよ!」
 

マジで真ちゃんに言われたくねぇ。


「どーせ、あの眼鏡っ子目当てだろ。高尾に聞いたぜ」

「高尾…!」
 

睨むなって、事実だろうが。

真ちゃんが伊勢さん目当てだってのは。


「まあまあ、落ち着い……、え…」
 

いきり立つ真ちゃんを宥めようとしたところ、俺のホークアイに見慣れた人が映し出された。

…なんでいんの?


「ここ、空いてますけど座りますか?……監督」

「高尾……、に緑間と宮地もか…。変わった組み合わせだな」
 

まさかまさかの監督の登場に俺たちは驚くことしかできなかった。

監督は俺の二つ隣、緑間の隣に座わる。


「レイっスか?」
 

先に口を開いたのは宮地さん。

それに対し、監督はああ、と応えた。


「予選では一回、後半のみしか出てないらしいが……、さすがに今日は出ざるをえないだろう。相手はIH優勝候補の女帝だ」
 

やっぱ、強ぇんだ。

秀徳も王者なんて言われてるけど、それは都内の話であって……。

去年もIH優勝してる開桜は全国の王者。

誠凛大丈夫か……。
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