キセキの始まり
□10Q
2ページ/11ページ
「結構、多いんですね」
「そりゃぁ、古豪の女帝、開桜女子学園対新設校の誠凛高校の試合だからだろ」
練習が終わってから、女子の試合がある会場についた。
観客席はいい場所とれたし、万々歳。
なのに、隣の相棒様は不機嫌モード。
「………何でいるのだよ」
「そりゃぁ、レイが出るから」
「野守さんが出るから」
即答で応えた宮地さんと俺。
その返答に呆れたご様子の相棒様。
「……不純なのだよ」
「「緑間に言われたくねぇよ」」
「何でなのだよ!」
マジで真ちゃんに言われたくねぇ。
「どーせ、あの眼鏡っ子目当てだろ。高尾に聞いたぜ」
「高尾…!」
睨むなって、事実だろうが。
真ちゃんが伊勢さん目当てだってのは。
「まあまあ、落ち着い……、え…」
いきり立つ真ちゃんを宥めようとしたところ、俺のホークアイに見慣れた人が映し出された。
…なんでいんの?
「ここ、空いてますけど座りますか?……監督」
「高尾……、に緑間と宮地もか…。変わった組み合わせだな」
まさかまさかの監督の登場に俺たちは驚くことしかできなかった。
監督は俺の二つ隣、緑間の隣に座わる。
「レイっスか?」
先に口を開いたのは宮地さん。
それに対し、監督はああ、と応えた。
「予選では一回、後半のみしか出てないらしいが……、さすがに今日は出ざるをえないだろう。相手はIH優勝候補の女帝だ」
やっぱ、強ぇんだ。
秀徳も王者なんて言われてるけど、それは都内の話であって……。
去年もIH優勝してる開桜は全国の王者。
誠凛大丈夫か……。