キセキの始まり
□2Q
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「は・・・、マジ?」
「こういう時はどうすればいいんですか?」
「それが・・・、このクラス、男子競技が全部時間被ってて・・・」
「つまり、4人?」
「規定では最低5人のようですからね」
「本部に問い合わせてくる!」
「俺が出ようか?」
「・・・・・・!」
「銀さん・・・」
「え、でも、女子だよね!」
「男装モデルだし・・・、教師も大目に見てくれると思うけど。確認してくる」
「あ、うん」
「・・・・・・あいつ、バスケできんのかよ」
「・・・・・・・・・どうでしょう」
数日前に行われた常磐さんとのメールでのやり取り。
僕は常磐さんの頼み事をその翌日に銀さんにそのまま伝えました。
玉砕でしたね。
即答でした。
その内容というのも、銀さんに数日後にあるクラスマッチでバスケを選択して欲しいということで。
そして、銀さんのバスケを源先輩に魅せつけて、認めてもらって、銀さんをバスケ部に入れようという算段だったようですが・・・。
銀さんの意見ガン無視の計画にさすがの銀さんも呆れてました。
まぁ、僕も常磐さんも銀さんのバスケをもう一度見たかったという思いもありましたが、そこは敢えて伏せておきました。
あまり、触れられたくないことのようですし。
結論として、僕は、銀さんが今のところバスケ部に入る気はないという旨を常磐さんに伝えました。
そんなメールをした翌日のLHRで僕と火神君、そして帰宅部の山崎君、篠原君、茅野君がバスケに出ることになりました。
僕のクラスの男子はバスケ、サッカー、将棋、百人一首に出場が決定し、人数も補欠なしでぴったりでした。
そして、僕と常磐さんが注目していた銀さんは、バレーに。
女子は補欠もいるように男子より少なめの競技数で選択していました。
そして、クラスマッチ当日。
恐れていた事態が起こったのです。