The cruel game of heart
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「アイリ・・・」
「・・・・・・・・・ナイトメア?」
ふわふわ浮かんでる顔色の悪い、夢の人。
ここは夢の世界。
「この世界はだいぶ気に入ってくれてるみたいだね」
「うん。ここはいいよ。皆、優しいし、強要してこない。“自由”があるの。私はもう“籠の外”にいるの」
嬉しい。
もう“籠の中”にいなくていいことが。
やっと“籠の外”で呼吸ができることが。
ありがとう、ペーター、ナイトメア。
この世界につれてきてくれて。
「そんなに喜んでくれるとは思わなかったよ。でも、足りないんだろ?」
「・・・うん。キラにこの世界に残ってほしい」
「・・・・・・そうか」
「だから、キラがこの世界を好きになれるように頑張るよ」
だって、キラは・・・私の王子様だから。
かっこよくて、強くて、賢くて、私に無いものを何でも持ってる、完璧な人。
初めて私が興味を持てた人。
大好きだよ、キラ。
キラなら私を受け入れてくれる。
「・・・・・・・・・・・・・・・アイリ。そろそろ目覚める時間だよ」
「うん。また、ね」
幻想的な夢の世界が光に包まれていく。
目覚めの時。
キラも夢を見るのかな?
そこに私は出てくるのかな?
もっともっとキラのことが知りたい。
・・・キラ――。