The cruel game of heart
□11
2ページ/14ページ
「あ、そうだ。アリスから聞いたんだけど、遊園地に滞在してる子がいるって本当なのか?」
嫌な予感がした。
その時間帯になってから、ずっと。
それは的中してた。
「うん。それが、どうかした?」
「強いんだってね。彼」
「そうだね。ダムとディー負かしたぐらいなんだから」
お騒がせな騎士さんがやってきた。
この時間帯の俺の運勢絶対大凶だ。
「手合わせお願いしたいなぁ」
キラが強いっていう噂は十分この国に広まっている。
だから、役無しは滅多にキラに手を出さないからその噂には感謝してる。
だけど、その分、役持ちが目を光らせている。
「無理だよ。俺が会わせない」
俺はもちろんのこと、おっさんもキラのことを信頼してる。
女王様はまだ比較的友好だけど、宰相さんはキラを目の敵にしてる。
多分、アリス関連だろうな。
よくアリスもキラの店に来るし。
帽子屋屋敷の人たちは完全にキラを敵視してる。
特に、ディーとダムの怯え様は友達の俺からしても憐憫を覚える。
2さんはよくわからないけど、帽子屋さんは本当にヤバイ。
この前、帽子屋屋敷にキラを誘ったけど断られたことを帽子屋さんに言うと、本当に嬉しそうだったから。
何したんだろう、キラは。
時計屋さんとはまだ接触してないみたいだったけど…、一番厄介な人にもまだ会ってなくて安心してたのに、ここで会わせたくない。
「ん?どうしたんだ、猫くん。そんなに殺気出して」
絶対、キラも嫌がると思う。
めんどくさいんだよな、この人。
だけど、それ以上に不安。
キラは強いけど、この人も強い。
見た目的に考えて、キラは華奢だし、ここに来てから鍛錬をしている様子はなく、仕事に没頭しているところをみると、役から離れて剣を奮っているこの人が有利。
なら、キラの元に行かせない。
何としても。
「あいつには会わせないから」
そう断言すると、相変わらずの笑顔。
「なんで?君はその子の何?」
そう問われて、答えにつまる。